ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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ずっと前に書いたお話をUPし損ねておりました。危うくお蔵入りになるところだった^^;
原作程度の内容、ラブ要素はそんなにないと思います。
お話を創作した時、絵も一緒に描いていたのですが、その絵がまた横顔だったりします…なんかもう…ホントにスミマセン…。





<素朴な疑問>



世の中は、無数の謎に満ちている。
どれかひとつでも心に留まれば、その謎を解き真相を知りたいと思うのが人間の心理だ。
数式のようにひとつの答えしか存在せず、最終地点に辿り着く事ができれば、万事解決し心は晴れる。
だが、選択肢が複数存在する為に答えが得られず、そこにややこしい感情が絡んでくると、なんとも厄介な事になる。
謎を生み出す当人は、他の人間にそれを問われるまで全く気付かず、平穏でいられるのだが。
問われる事で初めてそれを認識し、考える。
もしも、自らが生み出した謎が後者ならば、これほど迷惑な事はないだろう。
長い間暗い道を辿り、出口を見つける事も出来ず、苦しみもがく羽目になるのだから。




「この子、明日まで預かる事になったから」

ソファで愛読書を眺めていたリョウにそう言い放った香の横には、小さい女の子が立っている。
「んぁ?なんだよいきなり」
グラビア美女との別れを惜しむように本を閉じると、リョウはソファに座り直し説明を促す。
「明日のお昼まで預かってほしいって依頼があったのよ」
「えー」
そんなの面倒くせぇと呟いたリョウを、ギロリと鋭い視線が貫いた。
「あのねぇ!冴羽商事は今一ヶ月以上収入が途絶えてるのよ!どんな依頼でもやってもらいますからね!!」
「うわぁっ!わわわかった!わかったからそれをしまえっ!!」
有無も言わせぬ香の鬼気迫る迫力と、いつの間にか握られている巨大ハンマーに気圧されたリョウは、ぶんぶんと首を縦に振った。

「…ねぇ、お姉ちゃん?」

不穏な空気が漂う二人の間に、可愛らしい声が割り込んだ。
「えっ?あ、な、なぁに?」
女の子の声に我に返った香は、慌ててハンマーを隠ししゃがみ込むと、彼女と同じ目線で応じる。

「彼氏の事、そんなに怒っちゃダメだよ」
「…は?カ、カレシ…?」

小さな口が発した単語が脳に伝わった刹那、香は瞬く間に顔を真っ赤にして慌てふためく。
「あっ、あのね、この人はお姉ちゃんの彼氏なんかじゃないのよ、一緒にお仕事してるだけの人なの!パートナーなの!」
「パートナー?」
「そう、パートナー。そうよねっ、リョウ?」
変な汗を掻きながら同意を求める香を、しらけた目で見ながらリョウは頷く。
「そ、こいつと俺はただのパートナー。俺は男を相手にする趣味は」

ずしん!
後に続く言葉はコンペイトウの出現により、リョウと共に潰された。

「余計な事は言わんでいいっ!とにかくこの依頼は受けますからね!」

鉄の塊の下敷きになったリョウに容赦なく言い放つと、香と少女はリビングを後にした。




少女の名前は、かえで。
この依頼は、香が例の如くビラ配りに専念していた時、かえでの母から声をかけられた事がきっかけだった。
急な出張が入り、かえでを一日預かって欲しいとの依頼だった。
彼女はシングルマザーであった為、緊急にかえでの面倒を見てくれる者が近くにいなかったのだ。
困っている人間を放っておく事のできない性分の香に、それを拒否する思いは微塵もなく。
それに、それほど危険を伴わない内容だ、香は快く依頼を引き受けた。

依頼を快諾したのは、かえでの存在も大きかった。
元々こういう事態に慣れているのか、母親と別れる間際、かえでは悲しむ素振りを見せず『お仕事がんばって』、と笑顔で手を振ったのだ。
そんな健気な態度が、香をより一層やる気にさせたのである。



夕刻を過ぎ、ダイニングのテーブルには子供好みのメニューがずらりと並んでいる。
「うわぁ、これお姉ちゃんが作ったの?」
「そうよ、たくさん食べてね!」
目を輝かせて笑顔を見せるかえでに、香は頬を緩めた。

二人のやり取りを横目で見つつ、一足お先に、と料理に手を伸ばそうとしたリョウだったが、箸がハンバーグに辿り着く前に香に邪魔される。
「なにすんだよ」
「いただきますも言わないで食べようとするなんて、行儀悪いわよ!ね、かえでちゃん」
「うん、お行儀悪いよ、おじちゃん」
「おじちゃん、だとぉ?」
かえでの悪意のない言葉に、リョウのこめかみに青筋が浮き出た。
「おいコラ、よ~く聞けよ、俺は万年ハタチのもっこり」

どすん!
本日二度目のコンペイトウは、またしてもリョウのセリフを最後まで言わせない。

「子供相手にそんな事でムキになるな!だいたいかえでちゃんから見れば、あんたは立派なおっさんでしょうが!」

大人気ないリョウの言動を荒っぽくたしなめると、瀕死の重傷を負うリョウをよそに、香とかえでは食事を取り始めた。
数秒後、毎度の事ながら驚異的な回復を見せたリョウは、二人に遅れてようやく食事にありつく。
もちろん、いただきますを言った後で。


その後も食事中、隣り合って座る二人は、ああだこうだと言いながら食べ物を口に運んでいる。
そんな二人を、無垢な瞳が冷静に見つめていた。
純粋な心に妙な違和感を覚える。
彼女はまだ少数の選択肢しか持っていなかった為、どうしても生まれてしまった疑問。
好奇心旺盛なその心は、見えない答えを知りたくてうずうずしていた。

「ねぇ、ひとつ聞いてもいい?」
かえでの声に、二人は彼女に視線を向けた。
「お姉ちゃんたちって、恋人同士じゃないんだよね」
「えっ?そ、そうよ」
「てことは、夫婦でもないんだよね」
「へっ!?」
『恋人同士』という言葉より更に上をいく単語を言われ、香は過剰反応する。
「でも、一緒に住んでるんだよねぇ」
かえでは難しい表情で首を傾げると、わからない、と小さく零した。
「一緒に住んでて、お姉ちゃんはお料理作ったりとかしてるんだよね」
「そ、そうだけど…」
香はどぎまぎしながら、かえでの言葉を肯定する。
「普通そういうのって、恋人同士とか夫婦じゃなきゃしないんじゃないの?」

まっさらな瞳で問われ、香は困惑した。
かえでの疑問にどう返答していいのか、言葉が見つからない。
自分達の関係は、ある意味特殊だ。
標準枠に当て嵌まらない。
恋仲や夫婦と呼ぶには、肝心なものが欠落していて。
ただのパートナーと呼ぶには、余計なものが多過ぎるのだ。

言葉を詰まらせる香を尻目に、他人事のように見ていた男は、こほんと咳払いすると真面目な顔で切り出した。
「確かに俺達は一緒に住んでるし、こいつは家の事をいろいろやってる。だが、お前が思ってるような間柄じゃないんだ。なぜなら…」
「なぜなら?」
「俺と香はもっこり関係じゃないからだっ!!」

どっかん!!
今度こそ最後まで言わせてもらえたが、その代わりに二倍に巨大化した本日三度目のコンペイトウの餌食になったリョウは、見事に潰され再起不能となった。

「こっ…!子供の前でなんて事言うんだっ!このバカっ!!」

烈火の如く怒った香は、鬼の形相でダイニングを後にした。


「…びっくりしたぁ」
かえでは眼前で繰り広げられた衝撃映像に目を瞬かせながら、虫の息となったリョウの傍へ駆け寄った。
「おじちゃんの言った事、よくわかんなかったけど、おじちゃんにこんなひどい事するなんて、やっぱりお姉ちゃんたちは恋人同士じゃないんだね」
「…そ、そうだ…わかったか…俺達は、ただのパートナー…」
リョウは辛うじてかえでと言葉を交わすと、さすがに常人離れした回復力を見せる事なく、意識を断った。



「あーいてぇ…。あいつマジで容赦しねぇなぁ…ったく」
ベランダで一人、ズキズキと痛むたんこぶを摩りながらぼやく声が、タバコの煙と一緒に霞んだ夜空に消える。

いろいろ複雑なんだよ

『二人の関係は?』

問われるまで深く考えた事もなかったが、香との関係を表現する適切な言葉は存在しない事に気づく。
友達、恋人、夫婦、家族。
衣食住を共にしながら、どの型にも当て嵌まらない奇妙な繋がり。
しいて言えば、パートナー。
だが、ただのパートナーと呼ぶには互いの中に潜む感情が濃密だ。
その想いを消す事はもはや不可能だから、単純にパトーナーという言葉で説明付けるには無理がある。
こんな不可思議な二人に、年端もゆかぬ子供が疑問を抱くのも当然と言えば当然だった。

曖昧な関係を確かなものにする術は、もちろんある。
そして、それを形にしたいという想いが存在するのも確かだ。
だが、そこまで辿り着くには困難を極める。
相手が香でなければ、ここまで拗れずに簡単にいくのだが。
香を目の前にすると、直前で足踏みして回れ右をする情けない男へと成り果てる。
本当は、全速力で突っ込みたいくせに。
だらだらと紆余曲折した挙句、いろんな事に耐え切れずに大爆発を起こしそうな、そんな気さえする。

「そのうち、もっこりさせてくれーって泣いて頼んだりするんじゃねぇか、俺…」

そう口にした途端、かなりリアルな映像が脳内に映し出された。
冗談のつもりで漏らした独り言は、あながち冗談ではなかったりして。

「…シャレにならねぇっての」

現実に起こりうるかもしれない事態を思い描いたリョウは、はは、と力なく笑うしかなかった。






<あとがき>
この二人の関係を言葉にするのって難しいですよね。
恋人でもないし家族でもないし。
パートナーって言ってしまうと、なにか物足りないような気がするし。
全く、複雑な関係です^^;

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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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