ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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40000HIT記念テキストです。
…と言ってもいつもと変り映えしない内容ですが^^;
原作以上、何気ない朝のふたりのやりとりです。
一応テキスト・イラスト共に、お持ち帰り自由ですので、よろしければどうぞ^^






<ずっと、かわらない>



ごうんごうんと音を立てて、洗濯機が揺れる。
それと同じリズムで、体がふらつく。
別に具合が悪いわけではないのだが、なんだかそんな気分なのだ。
朝だというのに、頭がぼうとして身体中が重い。

香はぼんやり思う。
朝ってもっと清々しいものなのに。
酷い低血圧でも、朝が苦手なわけでもない。目覚めはいい方だ。
家事だって、何の支障もなくちゃんとこなせていた。

だがリョウと関係を持つようになってから、彼女の朝は一変した。
眠りから覚めて真っ先に感じるのは、デジタルの音ではなくリョウの体温。それから呼吸、匂い。
そして少しの後、必ず襲ってくるのが鈍い疲労感だ。
情事の余韻を引きずる身体は、夜が明けても熱が篭ったままで。
何もかも忘れて眠り続けたい。そんな衝動に駆られる。
だが香は怠惰な事が出来ない性分だから、重い身体をのろのろと起こして一日をスタートさせるのだ。


ふと、鏡に映る自分を見つめる。
疲れた顔。でも、辛そうではない。
それは、心が充分満たされているから。
愛されたゆえの変化なら、身体に感じる倦怠も嫌じゃない。

「幸せ、ってことよね」

鏡の自分に語りかけるようにぽつりと零すと、自然と頬が緩んだ。



「おはようさん…」

豪快なあくびをしながらリョウが現れる。顔を洗いにでも来たのだろう。
おはよう。そう言いかけた口は、リョウを捉えた途端、声を発する事なく開いたまま。
上半身裸で首からタオルを下げた、この季節にはあまりにおかしなその姿に、見ている方が寒くなり香はふるりと身体を震わせた。

「なんて格好してんのよ、この真冬に。寒くないわけ?」
「別に~。だってお前がいっぱいあっためてくれただろ?だからリョウちゃんちっとも寒くないの」
「なっ!!」

あっけらかんとした表情で言われ、香はぼわんと赤くなる。
私は何もしてない。あたためたのはリョウの方じゃない。
そう思うが言葉には出来ず、香は心の中で喚く。
暖めた、という言い方はかなり間違っている。そんな生易しいものじゃない。
されるがままの未熟な身体を、幾度となく高みへと追いやった張本人を、赤い目でギロリと睨んだ。

香とは対照的に涼しい顔をしたリョウは、ふんふんと鼻歌混じりにハミガキ中。
すう、とミントの香りが辺りに広がる。

角度を順に変えながら、小刻みに動く手。
何の変哲もないその動作に、香はいつの間にか見入っていた。

最近いつもそうだ。
リョウのあらゆる挙動に、知らず目を奪われる。
目に映るひとつひとつを逃さないように、意識が勝手にリョウに集中している。

以前は、淡い想いを深めて近づこうとする度に、叶わぬ恋だと思い知らされて。
心が苦しくなるから、あえてリョウから目を逸らす事も少なくはなかった。
でも今は、全くその逆。
片時も目を離すのが惜しいと思うほど、強く焦がれる心が自分の中にある。
まだ少し眠そうに、ゆっくりと瞼を閉じる仕草すら、愛おしくて堪らない。

「…どうした?」

口の周りを白くしたリョウが、もごもごと問い掛ける。
思いに耽っていた香は、慌てて何でもないと首を振った。



「うわ」

うがいを済ませたリョウは、ドラムから洗濯物を取り出していた香をまじまじと見て、小さく驚く。
細かく言えば見つめたのは、顔ではなく首元。鎖骨の上の紅い痣だ。

「結構くっきり付いてるなぁ」

鏡を見てみろ。そう促され言われたとおりにすると、さっきは気付かなかった痕が目に飛び込んできて、香は目を見開いた。
キスマークを付けられるのは、もちろん初めてではないから、いちいち驚いたりはしないけれど。
今目に映るそれは、いつものものより大きくて、赤味が強い。
血の色がそのまま浮き出ているような感じだ。

あの時付けられたものだ。香は夕べの記憶を辿る。
押し寄せる快感に訳が分からなくなって、揺れるリョウの背中に必死にしがみ付いていたあの時。
乱れる息の狭間で名を呼ばれ、胸元に唇を落とされて。
次の瞬間、そこに小さな痛みが走った。
抱かれる間、痛みを感じる事はもう少ない。
だからその時の事が、脳裏に焼き付いていたのだ。

所有の印と、夕べの記憶。
それが、香の鼓動を駆け足で早くさせる。
頬が、焼けるように熱い。

「当分取れんぞ、これ」

嬉しそうに笑うリョウが、長い人差し指で痕をなぞる。
触れられた刹那、は、と短い息が零れた。
落ち着かない鼓動に拍車を掛けるように、大きな手が紅い頬を包む。

いつもいつも。
この手で、指で、容易く自分の身体を操るのだから、香は少しだけ腹立たしくなる。
彼女の動揺を感じ取っているリョウは、楽しそうに微笑むばかりで。
香は不愉快そうに、口を尖らせた。

「そんなにムスっとするなよ。カワイイ顔が台無しだ」

また人をからかって、面白がってる。
そう怒鳴りたいところだが。
不揃いな前髪の奥にある瞳の色が、俄かに深くなるから、上手く声が出せなかった。

こういう目をする時は、キスされる。
リョウとの距離がなくなって、一番最初に覚えた、それは仄かなサインのようなもの。

少しずつ近づいてくる気配に合わせて、ゆっくりと瞼を降ろす。
視界が閉ざされたと同時に重なった唇に、胸の高鳴りは大きくなるばかりだ。

掠めるようなキスを繰り返して、瞳を合わせて、もう一度優しく口付ける。

40000HITフリー絵

気だるい朝も。
くだらない事で、ぶつかり合う時も。
眩暈するような激しさに、包まれる夜も。

二人で呼吸する毎日を、変わらず大切に過ごしたい。もっと、愛したい。

やわらかいキスに応じながら、香は祈るような思いであたたかい背中を抱き寄せた。






<あとがき>
一線を超えてから間もない頃の、二人の朝を妄想してみました。
一途な恋を実らせた香ちゃんにとっては、毎日が特別なものになったはず。
それまではあまり意識しなかったリョウちゃんの行動が、気になったりドキドキしたり^^
『幸せすぎて怖い』という心理から、恋人同士になった事を実感する度に、この幸せが続くようにと願っていそうですよね、香ちゃんって。
心配しなくてもリョウちゃんは香ちゃん一筋。離れてしまうわけはないんですけどね。
想いが通じてからも、香ちゃんは控え目な心を忘れないんじゃないかなぁと思います。可愛くて健気な香ちゃんに愛されてるリョウちゃんは幸せ者ですね!
いつまでもこの二人には、こういう幸せな朝を迎えて欲しいと思ってますvv
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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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