ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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バレンタインのお話です。原作以上の内容。
糖度は高め、いちゃいちゃしっ放しです^^




<あまい余韻>




「ちゃんと味わって食べてよね!」
「サンキュ」
夕食後、ソファでくつろいでいたリョウの前に、香は一つの箱を差し出した。
一言礼を言うと、リョウはさして驚きもせず、その箱をすんなりと受け取る。

もう少し可愛げのある言い方が、できんもんかね。
思うがあえて声にはせずに、香にふっと笑いかけた。
ろくに咀嚼もせずに胃に流し込む食べ方を非難するのは、いつもの事。
それに、語気を強めた口調が照れ隠しだという事ぐらいちゃんと分かっているから、自然と頬が緩んでしまう。

今日は2月14日。
本来のものとは異なる日本独自の風習に、リョウはあまり興味がない。
ないのだが、これに香が関係してくるとなると、話は変わってくる。
日頃お世話になっている人達に、という理由で、早朝からキッチンで忙しなく動く彼女にイライラしたり。
大量に作られる物の中に、明らかに違う形状の物体を発見して、こっそり浮かれてみたり。
香の行動に勝手に振り回されているリョウは、今日という日をしっかり意識しているのだ。


箱の包装を解いていたリョウは、香へと視線を移す。
目的を達成して満足しているのだろう、足元に座る彼女はテレビを見ていた。
自分が作った物に余程自信があるのか、それとも問う事が恥ずかしいのか。
味の評価を聞くつもりはないらしい。

「ん、美味い」
一口大のトリュフチョコレートを口に放り込んだリョウは、独り言のようにぽつりと呟いた。
途端、テレビを見ていた香は、目を輝かせてリョウを見上げる。
「ほ、ほんと?」
「ああ」
若干緊張した面持ちの香の眼前でもう一つ食べて見せると、リョウは頷きながらその出来栄えを賞賛した。

「よ、よかったぁ」
さっきまで、もうバレンタインは終わったのだと言わんばかりの無関心振りを見せていた香だったが、実は内心ドキドキしていた。
リョウは甘い物を好まない。チョコレートも例に漏れず苦手だ。
だから甘さの加減を微調整しながら、細心の注意を払って作った物を、果たして気に入ってくれるかどうかとても心配だったのだ。

ほっと胸を撫で下ろす香に目を細めながら、リョウは口の中の物をころころと転がす。
こういう甘さはやはり苦手なのだが、でも、美味いとも思う。
それは、他ならぬ香の気持ちがこもっているからだろう。

お前が作ったもんなら、何でも美味いんだけどな。

到底口に出来ないような事を思いながら3個目を口にしたリョウは、ふとある事を思い付く。
チョコレートを食べる口元がいやらしく歪んでいる事を、その時香は気付いていなかった。


「香チャン」
「?」
リョウの悪巧みなど全く知らない香は、名を呼ばれ顔を上げた。


ちゅっ。
むぐむぐ、ごくん。


「どう、美味い?」
「……」
一瞬の出来事にフリーズしていた香だったが、愉悦混じりのリョウの声と、口の中に広がる甘みを感知した途端、弾かれたように後退した。
「あっ…あっ…な…」
林檎のように赤くなりながらうろたえる香に、遂に噴出したリョウは、テレビの画面をちょんちょんと指差す。
「それだよ、それ」
「!!」
テレビでは、バレンタイン関連のニュースが賑やかに放送されておれ、リョウの意図にようやく気付いた香はギロリと睨み付けた。
「美味かっただろ?俺の逆チョコ」
「なっ、何が逆チョコよっ!美味いわけないでしょ!!」
「えぇ~、俺の気持ちがこもった世界でたった一つのチョコなのに、リョウちゃんショック~」
「~~~っ!!この変態が!!」
体をくねらせてわざとらしく残念がるリョウにプツンと切れた香は、バレンタイン仕様のハンマーをお見舞いしてやった。

「ったく、あんたって人はろくな事考えないんだから!」
パンパンと手を叩きながら、真っ平らになったリョウの前に仁王立ちする香。
その顔は、未だに赤い。
それは怒りよりも、羞恥からくるもので。
普通のキスならばともかく、ああいう特殊なキスはまるで変態行為をしているようで、異様に恥ずかしい。

「あんたは一晩中、床とキスでもしてれば!」
吐き捨てるように怒鳴ると、ふんと鼻を鳴らしリョウに背を向けた。
が、目の前には潰れていたはずのリョウがいつの間にか立ちはだかっていて、香は盛大に驚いた。
ハンマーの影響を微塵も感じさせないその顔には、いじめっ子のような憎たらしい笑みが浮かんでいる。

香の心理など、手に取るように分かっている。
だから、面白くて仕方ない。
悪趣味極まりないが、香の羞恥を煽って追い詰めるのは、ぞくぞくして、わくわくして。
何とも言えない高揚感が、癖になりそうな快感を連れてくるから、どうしても止められない。

「絶対美味いから、もう一回食え」
「…いやよ」
「そう遠慮しないで、な?」
「遠慮なんて、これっぽっちもしてない」
「俺の愛情たっぷりのチョコ、受け取ってくれないのか?」
「そのチョコにこもってんのは、あんたのじゃなくて私の愛情でしょ!」
今何気に大胆なセリフを吐いた事を、当の本人は全く気付いていなくて。
いつも以上に取り乱している様子を心底楽しむリョウは、とうとう香を壁際まで追い詰めた。

さて、どうやって遊ぼうか。
さて、どうやって切り抜けようか。

そんな心境で睨み合っていた二人。
均衡を破ったのは、以外にもリョウだった。
「…わかったよ」
「?」
「そんなに嫌なら、もうしねぇよ」
どんよりとした空気を背後に纏わせ寂しそうに笑ってみせると、リョウはすっと身を引きくるりと背を向けた。

突然態度を一変させたリョウに、香はぱちくりと大きな目を瞬かせる。
どうやら危機的状況は回避出来たようだから、とりあえずほっとしたのだが。
いつもしつこく迫ってくる男が、こうもあっさりと引き下がってしまうなんて、何だか拍子抜けして調子が狂ってしまう。

「ちょ、ちょっと…」
香は堪らず声をかけた。
その声音を聞いたリョウは、内心ガッツポーズで喜ぶ。
押して駄目なら引いてみな。その要領で行動を起こしたのが大正解。
らしくない態度を不審に思った香が寄ってくると、そう予測していたのだ。

「…リョウ?」
偽りの哀愁を漂わせた背中に、香の手が伸びる。
「ひっかかったな」
「へっ?」
指先が肩口に触れた瞬間、リョウはあっという間にその手を掴むと、香を体ごと壁に縫い付けた。
「あっ、あんた騙したわねっ!この卑怯者!」
「あのなぁ、あんな見え透いた手にまんまと引っかかるお前が悪いんだろ?」
「~~!!」

迂闊だった、甘かった。
香はうっかりこのろくでなしに、仏心を出してしまった事を激しく悔やんだ。
そうなのだ、この男が簡単に引き下がるわけがなかったのだ。
悔しさを込めて精一杯睨んでみるが、リョウには全く効果なし。
感情が乱れれば乱れるほど、その表情は嬉々としてくる。

「受け取ってくれる、だろ?」
まるで手品のような手付きで、どこからともなくチョコレートを取り出したリョウは、それを香の唇に押し当てた。
同時に硬い指の感触が唇に伝わり、香は不覚にも鼓動を高鳴らせる。

ああ、もうだめ。
ぐ、と深みを増した黒い瞳に見据えられ、心の中で呟く。
抱かれる時と同じ、艶かしい視線と空気。
それを感じてしまっては抗い続けるのは不可能で、従順になるしかない事を香は承知している。

「食べろよ」
官能的な声に操られるように、紅い唇が徐々に開く。
指を含ませるようにゆるゆると口内へと入れると、そっと手を引いて。
細く開いた唇が閉じてしまう前に、リョウは深く口付けた。
なるべく同じ空間を共有出来るように、大きく抉じ開ける。
「ん…っふ…」
溶け始めた物を味わいながら、舌を絡めて愛撫すると、香の肩が小さく揺れた。
完全に溶けてしまったのを合図に、そろりと唇を離す。
甘く混ざり合った吐息が、ふわりと宙に広がった。

「美味かった?」
じんわりと赤くなった瞳を覗き込んで問えば、少しだけ悔しそうな顔で頷く香。
彼女らしい反応に優しく微笑むリョウは、調子に乗って更に勧める。
「まだ、いる?」
「…」
焦心した顔でリョウを見上げた香は、一呼吸置くと躊躇いがちに厚い胸に体を寄せた。
「チョコ…は、いらない」
「…そうか」
香の心を汲んだリョウは、寄り添う柔らかさを慈しむように抱きしめる。
「まだたくさんあるのに、残念だな」
セリフとは裏腹な楽しそうな声に、互いに目を合わせると、堪らず小さく噴出した。

「…ね」
「ん?」
「普通に…して?」
「!」

珍しい香からの催促に虚を衝かれたリョウは、暫し考える。
キスを求めている事は分かっていたが、まさかちゃんと主張してくるなんて。
いつもより香が素直なのは、今日が特別な日だからだろう。
日本では、女性の方から想いを伝える風習になっているのだから。
それなら、せっかくだから強請ってみようか。

「いいけど、愛の告白、してくれたらな」
「えっ!?」

思いもよらないリョウの条件に、香は一気に頬を紅潮させる。
遠回しにキスのおねだりは出来ても、面と向かって告白するのは相当照れ臭い。
目の前には、期待した面持ちで告白を待つリョウ。
焦がれた視線が、痛いくらいに飛んでくる。
心地いい圧迫感に耐えられなくなった香は、太い首に抱き付き耳元へと優しく囁いた。

言い終わる手前で強く抱きすくめられ、塞がれた唇。
瞬きの間もないほどの急性なキスに、香は反射的に瞳を閉じた。

口の中に残る甘さが薄くなるにつれ、別の甘さがじわりと滲んでいく。
チョコレートよりも、やはり断然こっちの方がいい。
深くなる口付けに溺れる意識の中で、リョウは静かに呟いた。

チョコより甘い…




<あとがき>
バレンタインのお話という事で、思う存分いちゃいちゃしてもらいました^^
今年は逆チョコというのが話題だったので、それに便乗してリョウちゃん流の逆チョコを香ちゃんにプレゼントvv
あの後は、チョコより甘い夜を過ごしてる事でしょう…ムフフ。
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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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