ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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原作以上、リョウちゃん視点のお話です。
二人が一線を越えて間もない頃の設定です。
リョウちゃんがいつも以上に意地悪で大人気ないです。でも甘々…だと思います^^;
勢いで書いたのでもう突っ込みどころてんこ盛りですが、よろしければ読んでやってくださいませ…。





<きみにむちゅう>



イライラ。
こんなに腹立たしい気分になったのは、生まれて初めてかもしれない。

目の前には、鼻の下を限界まで伸ばした冴えない男が、下心丸出しで胸くそ悪い笑みを浮かべて。
左隣には、つるんとした頬を引きつらせて乾いた笑い声を発している香が、歯切れの悪い言葉を男に返している。
「お二人のお陰で、ようやく安心して過ごす事が出来ます。本当に、なんとお礼を言ったらいいか…」
「そ、そんな。私達は当然の事をしたまでですし」
深々と頭を下げる男に、照れたような顔で真面目に答える香。

イライラ、イライラ。
薄っぺらい謝礼が、男の本心の伏線だとも気付かないその鈍感さに、俺の怒りも沸点間近だ。

「あの、香さん」
「はい?」
「お世話になったお礼に、今度是非お食事でも…」

ほらな、やっぱりそうきた。
予想通りの男の行動を、苦いものを噛み潰すような心境で見守っていたが。
軟弱な男の手が香の手を取ろうと伸びたところで、怒りは沸点に到達。
タイムアップ。ここまでだ。
長い葛藤を断ち切って、ようやく香に触れたというのに。
数日前に出会っただけの人間に、そう簡単に手なんか握らせて堪るか。

俺は男と香の間に入り込み、香に触れようとしていた無粋な手を軽く捻り上げた。
いつまでもニヤニヤして、調子に乗りやがって。
喉まで込み上げた声を殺して男を見れば、掴まれた手が痛くて堪らないといった様子で呻いている。
思い切り手加減してやってるのに、ひ弱な奴だ。
苦痛に歪む顔を蔑んだように見下ろすと、軽く突き飛ばすようにその手を離した。
縺れた足で数歩後退した男は、赤くなった手を摩りながら、突然の乱暴に目をひん剥いて驚いている。

俺は勝ち誇った笑みを投げ付けると、香へと意識を向けた。
案の定彼女は、目の前で繰り広げられたやり取りに驚き、目を瞬かせていて。
俺の心中など全く察していないリアクションを見せるから、俺は密かに決意した。
ここは一発、派手にかまさないと。
この天然娘に俺の切ない男心を分からせる為には、多少の荒療治も必要だ。
そして、香の優しさを勘違いしている馬鹿な男に、己の愚かさを気付かせる為にも敢行しなくては。

「香」
名を呼ばれ、はっと我に返った香。

停止していた彼女の脳内が、動き出す前に。
ぐい、と腰を抱いて。
情熱を灯した瞳で、強く射抜いて。

この事態の説明を求める為問いかけようと、半端に開いた唇に、俺は噛み付くようなキスをした。
しかも丁寧に、舌まで入れて。

か細い悲鳴、硬直する身体。

そりゃそうだ、驚くのも無理はない。
突然のキス。しかもここは屋外、アパートの前の歩道だ。
多数の人間が、今も俺達の横を通り過ぎているような。

ひやかしの視線と香の動揺を感じながら、濃厚なキスを男に見せ付ける。
口付けたまま横目で男を見やれば、あんぐりと口を開けて俺達を凝視しているところで。
俺達の関係を強制的に知る事になった男は、諦めの空気を漂わせている。

ようやく分かったか、この間抜けめ。
そろそろ頃合か、と香の唇を解放する。
予想だにしていなかった衝撃のキスに、香は石のようにガチガチだ。
俺は香を庇うように引き寄せると、未だに口を開けたまま呆然としている男へと向き直った。
恐らく素人ならば、卒倒してしまうだろう、殺人級の視線を伴って。

「こいつがあんたに親切だったのは、あんたが依頼人で、それが仕事だったからだ。深い意味は、ない」
「…う…ぁ」
震え上がりそうな冷淡な声に、男はみるみるうちに青ざめていく。
「こいつは、俺の女だ」
「ひっ…」
俺の鬼気迫る形相に、もはや気を失いかけていた男はとどめの一言を耳にした途端、脱兎の如く逃げていった。


「やれやれ…」
盛大に溜息をつきながら、そっと香の様子を窺う。
香は依然として、固まったままだ。
俺はもう一度溜息をつくと、マネキン状態の香を肩に担ぎ部屋へと戻った。
こりゃハンマーか、怒鳴られるか、泣かれるか、だな。
そんな事を、思いながら。



「なんて事をしてくれんのよっ!!」

俺の予想は見事的中。
リビングへ足を踏み入れた途端正気に戻った香は、涙目で怒鳴りながら俺をハンマーでぺしゃんこにした。

「あー、何って、キスだろ」
「私が言ってるのは、そういう事じゃないっ!!」
ひしゃげた体をいつものように手際よく修復しながら、悪びれもせずに言ってのけると、その態度が気に食わなかったらしく、香は更に声を張り上げて怒鳴った。
「何であんなところで、しかも林田さんの前でっ…」
「…」

口に出された名前に、俺はすこぶる不愉快になる。
林田というのは、あの男の名だ。
今回の依頼人。別れた恋人からの執拗な嫌がらせが怖くて堪らないと泣き付いてきた、自分の尻も拭えないような情けない野郎だ。

修復作業が完了した俺は苛立ちを隠そうともせず、ソファへと踏ん反り返った。
「お前、困ってただろ?」
「えっ?」
「あいつに、遠回しに言い寄られて」
「う…」
背凭れに仰け反ったまま香を一瞥すると、怒り心頭の香は言葉を詰まらせていた。

そうなのだ、あの男は依頼遂行中なんとか接点を持とうと、必要以上に香に近付いていたのだ。
そういう時こそ十八番のハンマーで、叩き潰せばいいものを。
相手は依頼人だし、俺以外の人間に武器をかざすのは、どうも憚られるらしく。
それに色恋に疎い香は、この手のアプローチを跳ね除ける技術を持っていないから、人懐こい笑顔でそれをなんとかかわしていたのだ。
それが相手を誤解させた原因だとは、思いもしないで。

「だから俺は、お前を助けてやったんだろ」
「たっ、助けるって、もっと他に方法が」
「じゃ、どんなやり方があったってんだ?」
「そ、それは…」
間髪入れず突っ込まれた香は、再びだんまりを決め込む。

ほらみろ、やっぱり自分じゃどうする事も出来ないだろうが。
ああいうおめでたい野郎には、あのやり方が一番効くんだ。

「大体お前がはっきり言わないから、悪いんだろうが」
「な、何を?」
「俺達の関係」
途端、香は顔を真っ赤にして狼狽した。
「そんな事言えないわよ!」
「…なんで?」
「だ、だって。仕事中に私情を挟んじゃ、ダメ、でしょ?」

しょぼくれたようにもじもじと呟く香に、俺は心の中で激しくその発言の矛盾を指摘した。
自分の事は棚に上げておいて、よくもそんな事が言えたもんだ。

俺はソファから立ち上がると、リビングの入り口に佇む香へと詰め寄った。
「仕事中、公私混同しまくってたお前が、それを言うのか?」
「わっ、私がいつ公私混同したっていうのよ!」
「ずーっとしてただろうが。俺が依頼人とちょっとでも仲良くなろうとしただけで、ハンマーでどっかんどっかん殴りやがって」
「あれは、あんたのもっこりから彼女達を守る為に、仕方なく」
「ほー、仕方なくねぇ。そのわりには物凄い感情がこもってた気がするけどぉ~」
「~~~!」
底意地の悪いセリフに返す言葉が見つからない香は、ぐぐ、と奥歯を噛み締めて悔しさをあらわにしている。
が、次の瞬間、きゅと結ばれていた唇が震え始めて。
まんまるい瞳まで震え出したものだから、俺はしまったと後悔した。

そもそも俺には、香をなじったりする資格なんて、端からないのだ。
香が堂々と胸を張って、俺との関係を他者に明かせない理由は、彼女の性格もあるが大部分は俺のせいなんだから。
一線を越えた後も、妙に勘繰って気を遣う香と完全に打ち解ける事が出来ないのは、今までの俺の悪行が原因だ。

気付けば潤んだ瞳の端には、今にも頬を滑り落ちそうな涙の玉が、ひとつ出来上がっている。
まずい。
そう思った時には、頼りなく立ち竦む体を抱き寄せていた。



「なぁ、香」
慰めるような甘ったるい声で名を呼ばれ、香はぴくんと肩を揺らす。
「俺って、お前の、何?」
「…は!?」
突拍子もない俺の問い掛けに、今度は派手に肩を揺らす香。

そうだよな、ビックリするよなぁ。
俺だって、なんて女々しい事聞いてんだって思うし。
もしもこれがミックにでも知れたなら、俺が死ぬまで笑いのネタにされるだろう。
くだらない事を質問している自覚は、大いにある。
だが今は無性に問うてみたい。
それに、ちゃんと答えて欲しい。香の声で。

香を胸から離し、同じ目線で顔を見合わせる。
一体どうしたのだ、と訝しむ香に、緩く微笑んでもう一度尋ねた。

「俺とお前の関係は?」
「……パートナー」
「…」

やっぱり、そう言うと思った。
ちょっと甘い雰囲気になっても、曖昧な言葉で誤魔化すと思ったんだ。

「ブッブー。正解だけど、不正解だ」
「な、なによそれ」
「もっと違う言い方があるだろうが」
「!」

どうやら俺が言わせたいセリフを悟った鈍感娘は、ポンと頭から湯気を出して困惑しきりだ。
分かったんなら早く言え。さっさと言え。
テレパシーを送るように戸惑う目をじっと見つめると、香は観念したように桃色の唇を開いた。

「こい、び…と?」

今にも消え入りそうな声に、俺はがくんと項垂れた。
もっとはっきり言えってんだよ。しかも疑問形で答えるな。

「…質問してるのは俺だろ?お前が聞き返してどうすんだ」
「うっ…」

更に困惑を深めた香は、しゅんと俯いた。
ちゃんと答えない香を、逃がすつもりは毛頭なく。
俺は形のいい顎に手を当て、ゆっくりと強引に持ち上げた。

さあ言え

「もう一度、ちゃんと言えよ」
「……恋人」

少しだけ真剣さを含ませた声に一瞬目を見開いた香は、小さく息を飲んだ後、ようやくその言葉を紡いだ。
さっきよりもほんの少ししっかりした口調で。でもやっぱり戸惑いながら。
その声に、俺の頬はだらしなく緩んだ。
頼りない返答だったが、不服な気持ちは全くなくて。
馬鹿みたいに嬉しくなった俺は、力任せに香を抱きしめた。


「でもさ、困ってるって分かってたんなら、もっと早く助けてくれればよかったのに…」
「へ…」
香のもっともな意見に、俺はぎくりと体を強張らせた。

確かにあんな手荒な真似をする前に、もっと穏便に済ませる方法はいくらでもあった。
だが変なプライドが邪魔をしまくって、どうしても自分からは動けずに、限界まで我慢していたのだ。
独占欲をあらわにして、みっともなく嫉妬するなんて。
自分ばかりが飢えているみたいで、堪らなく虚しいじゃないか。
結果、公衆の面前でキス、という恥ずかしく大人気ない方法を選択せざるを得ない事になったのだが。

「えと、それはだな…。あ、あれだ、訓練だ、訓練」
「訓練?」
「そ。いかなる場合の困難も、上手く切り抜けられる技術がお前には足らんからな。だからお前がどう手を打つか、遠くで見守ってたわけだ」
「…ふーん」
俺の出鱈目な言い訳に、大した疑問を抱く事なく相槌を打った香は、こういう困難は二度と御免だとひとりごちた。

香のセリフに、俺は激しく賛同した。
俺だってこんな歯痒い思いをするのは、真っ平御免だ。
大体男の依頼を受けると、こういう末路を辿るのが明確だから、断固反対しているんだ。
なのにこいつときたら、人の気も知らないで男の依頼を平気で受けようとするから、全く腹が立つ。
もう絶対、どんなに頼まれようとも金輪際男の依頼は受けん。
俺は一人、心の中で誓った。

「ねぇ、リョウ」
「…んあ?」
「訓練もいいけどさ」
「?」
「今度ああいう事があったら、知らんぷり、しないでよね」
「…」

お前、それは反則だろう。あまりに卑怯だ。
縋るような瞳で可愛らしくお願いする香に、うっかり漏らしそうになった声をぐっと飲み込んだ。
上目遣いで、首をちょこんと傾ける姿に、妙な計算や媚びは皆無で。
自然とそれをやってのけているのだから、たまったもんじゃない。
そんな仕草で頼られては、さっきの俺の決意はあっという間に崩壊してしまう。
男の依頼を受けたとして、同じ目に遭遇しても、心配するな、と。
プライドなんかあっさりと捨てて、香に近付く輩を威嚇する自分の姿が容易に想像出来てしまった俺は、力なく笑った。

「ああ、分かったよ」
きらりとした目で見つめる香に、俺の口は勝手に約束の返事を吐いていて。
それを満面の笑みで受け取る香の愛らしさに、ぐらりとよろめいた俺は、緩いカーブを描く唇に近付いた。

覆い被さる唇に、必死に応じようとする香を抱きしめながら、俺は諦めにも似た心地で思った。
もどかしくも可愛すぎる恋人に、一生やきもきする運命なのだと。




<あとがき>
香ちゃんにちょっかいを出す男性依頼人に、大人気なく嫉妬してしまうリョウちゃんでした。
普段は感情を表に出さないリョウちゃんですが、我慢も限界を超えると物凄い行動をしそうだな、と思います。それこそ人前で熱いキスをするぐらい。
そういえばミック編でも、昼這いをかけるミックにパイソンをぶっ放してましたよね。
子供みたいに嫉妬するリョウちゃんは大好きです^^
そして、その気持ちに気付かない天然カオリンも大好き^^
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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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