ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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クリスマスネタのお話です。
原作以上の内容、ほんのり甘めです。


<sweet revenge>



本当に楽しくて仕方がない時は、意識せずとも勝手に声が漏れるらしく。
ほろ酔いのお姫様は、リョウのベッドに横たわりころころと笑っている。
男はベッドの端に腰を下ろすと、彼女の無邪気さに若干呆れながらも目を細めた。


今夜は少し早めのクリスマスパーティーが開催された。
当日は、パートナー同士で思い思いのクリスマスを過ごすだろうからと、美樹が提案したのだ。
集まるのは気心の知れたいつものメンバー。
主催者が準備した、サンタクロースをモチーフにした様々な衣装を身に付けてのパーティーは、盛大な盛り上がりを見せ、お開きになったのは日付が変わる頃。

アルコールのせいでへろへろになったパートナーをおんぶして、星空の下リョウは歩調を抑える。
なるべく揺れないように、気遣いながら。
しかし、背中の酔っ払いはリョウの親切など、これっぽっちも気付かない。
背に回した腕の隙間から伸びる脚をぶらんぶらんさせるわ、首をぎゅうと絞めるわ、仕舞いには頬にキスを繰り返す始末で。
完全に自分を見失ったお調子者に成り果てている。
リョウは盛大に溜息をつきながら、やっとの思いでアパートへと帰り着いたのだった。



「んふ、ふふふ。ね、リョウ」
「なんだよ、この酔っ払いが」
「あのね、ふふふふ」
「……」
「好きよ」
「それ、さっきも聞いたぞ」

これで七回目だ、と心の中でカウントして、リョウはうんざりといった様子。
もう七度もこの言葉を聞かされている。
くすりと笑って、名前を呼んで、そして、好きだと。
部屋に入ってからずっと、この繰り返し。
一度目は結構心を揺すられたが、二度三度となると有り難味がなくなるというか、心がないように感じて。
さすがに四度目からは、さらっと受け流してしまいたくなった。
酔いに任せた告白を真に受けてたまるか、とリョウは目を据わらせる。


「ふ、ふふふふ」

また始まったか、と香を見やれば緩慢な動きで体を起こし、じりじりと近づいてくる。
擦り寄る様は、まるで猫のよう。酔いで震える瞳が、闇に妖しく光る。

這うような姿勢で見上げる香は、先程とは違い表情が落ち着いて見える。
普段は活発な性格も手伝って、あまりそういう事を思わせないが、香はかなり整った顔立ち。
ほろ酔いで、穏やかに笑って、しかも上目使いとくれば、美しさは倍増だ。リョウはごくんと唾を飲む。

「ね、リョウ」

名を呼ぶ声もひどく艶めいて聴こえる為、リョウはその妖艶さに鼓動を早くする。
この色っぽい仕草と声でまた、好きだ、なんて言われたら平常心を保つ自信は全くない。
いくらなんでも酔ってる香を襲うのは、男としていかがなものか。
そう思うのだが、素直な体は既に戦闘態勢に入ろうとしていた。


「好き?…私の事」
「ん……んあ?」

最後に妙なおまけがくっ付いていたので、リョウはあれ、と首を傾げる。

「ねぇ、私の事、好き?」

そう囁く香は真剣そのもので、リョウは意気消沈した。
今度はそれを俺に言わせるのか、勘弁して欲しい。
リョウは口を閉ざし、冷静に大きな瞳を見つめる。
香は視線をきっちり絡めて、逸らす気配は一切ない。
この様子では、言わなくても分かるだろう、なんて常套句は通用しそうにないと、リョウは更に沈む。

こういう類の言葉をノーマルな時に求められるのは、最も苦手とするところだ。
情事の最中なら、いくらでも言えるのに。
それも何だか情けない話だが、でもやはり苦手なものは苦手なのだ。
いくら真剣に問われたところで、そんな事簡単に言えやしない。

さあ言え、言うんだ、と無言の圧力を掛ける香に、リョウは怯んで後退する。
退路を断たれたところで再度問われた。好きか、と。

そんな事、今更真顔で聞いてくれるな。焦りを通り越して逆ギレしそうになる。
しかし、香が突然豹変し笑い転げるから、リョウは呆気に取られて逆ギレは不発に終わった。

ひいひいと爆笑する香に、次第に不信感を募らせるリョウ。
この笑い方に、腹立ちを覚える。
人をコケにしているような、そんな感じが伝わってきて不愉快だ。
彼女がこうなる原因が見えず、リョウは苛立ちをあらわにする。

「オイコラ、何がそんなに面白いんだよ」
「くくっ、だって、だって、…あははは!」

笑い過ぎたせいで息を乱しながらの香の説明に、リョウは派手な音を立ててキレた。
なんと、今までの一連の言動にはちゃんと意味があったのだ。

たまにはリョウを動揺させたい。からかってみたい。
いつも自分がされる仕打ちを、リョウにも体験させたい。
それが、香の目的だった。

香のしょうもない相談に乗ったのは、今夜のパーティーの主催者である美樹だ。
彼女に、酔った振りをして色っぽく迫ってみてはどうかと持ち掛けられたらしい。
注意事項として、欲情を煽る仕草とか、話し方とか、上目使いが効果的だとか、いろいろアドバイスしてくれたのだと、聞いてもいない事を詳細に語る暢気なパートナーはすこぶる上機嫌だ。
それはそうだろう、目的は果たせたのだから。
だが、そうとは知らずまんまと騙された方は、最高に面白くない。

リョウはよし、と気合を入れるとサンタクロース紛いの上着を大袈裟に脱ぎ捨てる。
そして、子供をだっこする要領で両脇を掴み、香を持ち上げた。
向かい合わせになるように、自分の体を跨がせて、体をすとんと落とす。
布越しに柔かい太股の感触が伝わって、リョウはニヤリと笑う。
突然抱き起こされきょとんとする香に、リョウは静かに復讐を誓った。

この俺を騙そうなんて、百年早い。
ここは一つ、痛い目に。いや、気持ちいい目に遭わせねば。



「そんなに知りたいなら、教えてやるよ」

かなり意地悪だろうと、自分でも思うぐらいの笑みを香に投げつける。
途端、香から余裕が消え焦りの色が見え始めた。
リョウは内心、してやったりとほくそ笑む。
そうだ、やっぱりこの関係でなければ面白くない。

「俺の気持ちが伝わるように、一晩中、じっくり」
「私は言葉だけで、いいんだけどな」

まずい展開になってきた。香の顔にそう書いてある。
彼女の笑い声は、力なく乾いてきて。

「言葉だけじゃ、分からないんじゃないのか?」

今更後悔しても、もう遅い。
リョウは細腰を強引に引き寄せ、密着度を高める。
触れ合う場所の異変に気付いたのだろう、香は体を強張らせると頬を染め俯いた。
俯いたとはいえ、位置関係からして香の顔は丸見えで。
ぷっくりした唇が、微かに震えているのもしっかり確認出来る。
リョウは復讐を開始するべく、唇に噛み付こうとした。
が、同時進行で香がすっと引くものだから、キスをする事は叶わない。

「ねぇ」
「なんだよ」
「言って」

何を、と聞くまでもない。こんな可愛くて切ない顔を見れば。
どうやら今度は本気の本気で言って欲しいらしい。

リョウは仕方ないと腹を括る。
やはり抵抗があるが、こうも望まれては言わざるを得ない。
それに、その一言でとびきりの笑顔が拝見出来るのであれば、照れ臭さも我慢出来るというもの。

心を穏やかにして、待ちわびる瞳を見つめる。
くいと頭を引き寄せて、そっと囁いて。
もう一度顔を覗き込めば、やっぱり香は盛大に照れていて。
でも、とても綺麗に笑っていた。


「お前が言えって言ったのに、照れてどうすんだよ、アホ」
「う、うるさいなぁ、もう」

薄闇の中そう交わすと、二人して一緒に笑った。
夜はこれから…

今夜はこれで、恐らくもう笑えなくなる。
そんな余裕を与えるつもりは、毛頭ないのだから。
後は二人の時間に全てを漂わせるだけ。
リョウは甘い復讐を楽しむように、今度こそ香の唇に噛み付いたのだった。




<あとがき>
クリスマスネタ、第一弾でした。
リョウちゃんをからかって楽しむという、ある意味危険な事を香ちゃんにしていただきました^^
案の定形勢逆転、いつものオチになってしまった…。
しかし書いた後に気付いたのですが、プレゼントもケーキも出てこない、ちっともクリスマスっぽくないお話ですね、これ^^;
でもせっかく書いたので、UPしました。
ちょっとでもクリスマス気分を味わっていただければ幸いでございます(無理かな??)。
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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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