ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
原作以上のお話。
11/16にUPしました『understanding』の続きです。
香ちゃん視点の、ほのぼのテイストです^^




<わがまま>



頬や項を擽るように撫ぜる手。
少し弱まって、また迫って、緩やかに角度を変える唇。
ゆらゆらと揺れる波に身を委ねているような、重力を奪われる感覚。
優しい快感に翻弄されるキスは、堪らなく気持ちいい。
いつまでもふわりと浮かんでいたい、そんな気分になる。


互いの口から吐息が零れて長いキスが終わる。
夢見心地だった香は現実に引き戻され、少し名残惜しく感じた。
少しずつ離れていく瞳を縋るような思いで見つめる。

「香」
「…ん?」
「お前暫く、外出禁止な」
「…は?」

唐突な発言に、香は一気に覚醒する。
一体なぜそんな不可解な事を言ったのか、皆目検討もつかない。
「な、何?どうしたの、突然」
眉を顰めて首を傾げる香の肩をがしりと掴むと、リョウはキリリと表情を整えた。

「最近、すごくキレイになったな…香」
「へっ!?」
「いや、美しいのは元々だが、以前よりもずっとキレイで色っぽくなった」
「なななっ…」
「やっぱり愛されると、こうも変わるものなんだな」
「~~~!」

とびきり甘い声で、しかも到底この男が口にするとは思えないような賞賛の言葉達に、香は首まで真っ赤になってうろたえる。
リョウは目を白黒させている香をじっくり観察し、やれやれと一つ息を吐いた。
「うん、やっぱり外出禁止決定だな」
「え?」
再び謎の宣告をされた香は、紅潮した顔のまま訝しむ。

「今俺が言った事、どっかで聞き覚えないか?」
「え…どっかで?」
今度は唐突な質問を投げ掛けられ記憶を辿る香だが、そんな事を言われた憶えは全くなく腕組みして唸る。
そこでリョウはヒントを一つ与えた。
「キャッツでの事を思い出してみ?」
「キャッツでの…?」
香は早速今日の出来事を脳内で再生させる。
途端、心がぼんやり曇り出した。
リョウの本心ではないにしろ、やはりあの一言はかなり堪えるものだ。
香の記憶にはあの言葉のみが居座っていて、その他の事はあまり憶えていなかった。

落胆の色が見え始めた香の思考を推測し焦ったリョウは、あっさり真相をばらす。
「今の言葉はミックや麗香が言った事だ」
「え…」
「あの時あいつらに言われて照れまくってただろ、お前。だから外出禁止!」

ああそういえば、と香はもう一度キャッツでの事を振り返る。
確かにあの二人に自分では自覚のない変化を指摘され、猛烈な羞恥に襲われた。
それから徐々に核心を突くようなストレートな質問へとなり、最後はあの一言でキャッツでの記憶は終わっている。
記憶を停止させた香は、再び首を傾げた。
先程の質問の答えは判明したが、新たな疑問が浮かび上がる。
あの時の自分の態度と外出禁止。何一つ繋がりがない。
なぜ照れたからといって外出してはいけないのか、全くもって意味不明だ。

この男は度々、こういう理解し難い事を言う。
本人は全て分かっているのだからいいが、思考の端々を投げ掛けられる側としてはパーツが不足していてなかなか完成品にはならない。
言葉が少な過ぎて、何を伝えたいのかが不透明過ぎるのだ。

懸命に頭を捻るがリョウの考えがさっぱり分からない香は、次第に苛立ち始めた。
「ちょっと、何が言いたいのよ」
回りくどい態度に痺れを切らせた香に答えを求められ、リョウは一瞬躊躇う。
その答えというのが、あまりにも子供染みている事を自覚しているからだ。

リョウは暫し逡巡した後、答えを待つ香の首元へと突然唇を寄せた。
「ち、ちょっと!」
驚く香を無視して鎖骨の上で止まると、一点を強めに吸い上げた。
「…んっ」
ちく、と痛みを感じた香は、再び頬を赤く染める。
共に夜を過ごすようになって初めて知った、甘くて心地よい痛みだったからだ。

鮮やかな痕を愛おしげに見つめ一舐めすると、熱い頬に軽く唇を押し当てる。
「こんな顔してるお前を、あいつらに見せるのは気に食わん」
「…」
瞳を潤ませている香は、やはり今言った事を理解していない様子だから、リョウは心の中で項垂れ小さく笑った。
色恋の事になると殊更鈍さを発揮するのは、香の可愛い欠点でもある。
こんな顔をされては、分かり易く説明しようという気になってしまう。
そっと胸に抱き寄せると、香だけに聞こえるように囁いた。
「そういうイイ顔するのは、俺の前だけにしろって言ってんの」
「!」
どうやらやっと全てを理解した香は、頬の赤を耳にまで広げている。

自分以外の人間に見せたくないから外に出るな、とはなんて自分勝手な要求だろう。
そう思うのに、嬉しくて照れ臭くて顔がにやけてしまう。
こういうわがままなら、きいてあげてもいいかな、なんて甘い事を考えてしまうではないか。
香は手のかかる子供をあやすような、そんな心境になった。

「でも、それじゃ仕事はどうするのよ」
「依頼なんて滅多に来ないだろ、そんなのほっとけ」
にべもない物言いに、香は辟易しそうになる。
「…じゃ、いつになったら外出していいわけ?」
「そうだな…とりあえずさっきみたいな事言われても、軽く受け流せるぐらいにならんと許可出来んな」
「ええっ!そっそんなの無理だよ。大体あんな事言われ慣れてないし…」
「あれ、んな事ないだろ?」
リョウは意味深な笑みを浮かべ、香を見下ろす。
「俺、結構言ってるだろうが」
「…いつよ?」
「そりゃお前、ベッドの上」
「!!」
リョウのセリフに今度は首元まで赤くなる。
だがそれは、リョウの言葉を思い出したからではなく、その時の行為を思い出したからだ。

情事の最中、香の思考能力は一切機能しなくなる。
リョウに応じる事だけで精一杯なのだ。
大体最中に語られた一方的な睦言を記憶する余裕を、この男が与えるはずがない。

「ああああんな時に言われた事なんて、憶えてるわけないでしょ?」
「え、そうなの?リョウちゃんショック~」
白々しく残念がって見せると、今度は思いきりいやらしい笑みで、ずいと香の鼻先まで接近した。
おぼえてね

「じゃぁ、ちゃんと憶えてもらえるように、今夜はじっくりたっぷり可愛がってやるよ」
「……」
その妙に艶のある言い回しに、香はドキドキを通り越して恐怖を覚えた。
リョウは未熟な自分を気遣い、手加減している部分が多いように感じる。
それでも自分の身体は、抱かれる度に強烈な快感に支配されるのだ。
リョウが少しでもレベルを上げれば、一体自分の身体はどうなってしまうのだろう。
想像するだけで、ぞくりと背筋が凍り付く。

「あ、あはは…そういえば…何となく思い出した気が…」
引きつりながらの苦し紛れの嘘も、その気になった男には何の効力にもならず。
眼前で満面の笑みを見せるリョウを一瞥すると、香は今夜の我が身を案じたのだった。





<あとがき>
お約束的なお話でした。
香ちゃんの色っぽいイロイロを見せたくないから外出禁止って横暴過ぎるだろ!とは思うのですが、リョウちゃんならなぜか許してしまえるんですよね^^;(許せませんか?)
香ちゃんが言いつけを守ったかどうかは分かりませんが、丸一日ぐらいは寝室にプチ監禁されたんじゃないかなぁ、なんてイヤンな妄想をしてしまいましたv
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://qazzz.blog31.fc2.com/tb.php/402-e74ab183

MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

名前:
メール:
件名:
本文:

この人と友達になる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。