ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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<注意>
このお話はR18です。
18歳未満の方および原作以上の男女の関係が苦手な方は、閲覧をお控えくださいませ。
上記をご覧になったうえでの苦情等は、受け付けておりませんので…。




先日UPしました『cage』で書かなかった1話目と2話目の間、つまり夜のお話です。
最後の方でいたしている描写がありますので、R指定です。
香ちゃんがいつもと随分違います…そして結構暗めです。




<fusion>



リョウに抱かれれば、複雑に絡まった気持ちは緩和されるだろうと安易に考えていた。
肌を重ねて温もりに包まれれば、穏やかになるはずだと思っていたのに。
深い口付けはなぜか苦くて、いつもと違う感じがした。
心の片隅が、いつまでも冷たいままだった。


リョウの重みを感じながら、奇妙な違和感を冷静に分析するもう一人の自分がいる。
何かに急かされながら自ら望んで抱かれているのに、言いようのない虚しさが体の奥に巣食い始めていて集中力が削がれた。
いつもの自分に戻ろうとする事を阻む影の正体は、記憶の裏側にこびり付いた孤独だ。
嫉妬にまみれた感情のすぐそばにあるそれは、香が一番恐れているものかもしれない。

香はいつ訪れるか分からない『その時』に、静かに怯えていた。
それは突然、足音も立てずにやって来る事を香は知っている。
そして、それが過ぎ去った後の喪失感と絶望感も。
これは生まれ持った運命なのかもしれないと、香は思う。
どれだけ望んでも、縋っても、大切な存在はこの手を簡単にすり抜けてしまう。
たった一人の肉親さえも、香のそばにはもういないのだ。
兄が儚く消えたように、リョウにも同じ事が起こるかもしれない。

だが香は、平等に与えられる結末だけを恐れているわけではない。
心が離れる事を最も恐れているのだ。

リョウの気持ちを信じていないわけではない。
押し潰されそうな圧倒的な想いを、何度も何度も見せてくれた。心を満たしてくれた。
自身に向けられる揺るぎない確かなものを、信じている。
信じたいのに。
ぐらぐらと不安定にふらつく心が、どこからともなく囁きかける。

この世界に絶対という事はない。
そして、心や感情には決まった形は存在しないのだ。
何かをきっかけに、変化してしまう事だってある。
自分に向けられている想いが、いつまでもずっと続くとは限らない。
他の誰かに移ってしまう可能性だって、ゼロではないのだ。

もし、リョウの心が変わってしまったら。
そう思うだけで、正気ではいられない。
何もない世界に閉じ込められ、大切なものが欠落してしまった心は上手に呼吸する事もままならず、動けなくなってしまう。
今の香にとってリョウの存在は、当たり前のようにそこにあって、それはもう体の一部になっている。
心が離れ消えてしまえば、身を裂かれるような苦痛を味わい、やがて全て消滅してしまうだろう。


もはや香の意識はリョウのそばにはなく、冷たい床にころんと転がっていた。


いつもの香ではない事を承知していたリョウは、ふらつく心を引き寄せるように香の身体に唇を落とし続け、宙を見る瞳に薄く被る瞼に長いキスをする。
頬に、鼻先に、耳に、掠めるようなキスを繰り返し、小さく開いた唇に己のそれを深く重ねた。
その瞬間、香ははっとする。
口内に広がるいつもの匂いと感触に混じる、しょっぱい味。
それが知らず流れていた涙だと気付いた香は、胸が苦しくなり堪らずリョウにしがみ付いた。

猜疑心に駆られ、挙句いつの間にか流した涙をリョウはどう思ったのだろう。
何も言葉を発しなくても、微妙にずれた香の思考を理解し、落ち着かせようとしていた。
香の身体に残るリョウの優しい温度が、その事を教えていた。

何か言わなくては、そう思いを巡らすが浮かぶ言葉はなく、大きな瞳からは涙が零れシーツに丸い染みを作る。

「ハンマーも結構キツイが…泣かれるのが一番堪えるなぁ、やっぱり」
濡れた頬を舐めると、リョウは少し難しい顔で笑った。
その切ない笑顔が、涙を堪えようとする香を邪魔する。
口を閉ざし静かに泣き続ける香の髪を優しく掻き混ぜると、リョウは身体を入れ替え香を胸の上に乗せた。

「ったく、こんな時に勝手に悩んで泣きやがって。リョウちゃんショック」
「う…ごめ……」
涙を拭いながら漸く口を開いた香の頭を引き寄せると、リョウは冷たくなった頬に口付けた。
「ま、わんわん泣いても、香チャンは柔かくて気持ちいいし」
リョウは口角を上げて笑うと、目の前の胸を両手でふわりと包んだ。
「明日も明後日もずっと、こうやってお前と繋がっていられるんだから、俺は幸せだ」
香が醸し出す重い空気を打ち消すような明るい声に、香は目を大きく見開いた。

リョウが未来の話を口にするなんて、恐らく数えるほどしかない。
いつ命を落とすか分からない世界に生きる者に、普通の未来は鮮明ではない。
それを言葉にする事はどこか白々しくて、真実味に欠ける。
曖昧なその先を敢えて言葉にしたのは、香の胸に潜んでいた不安を汲み取った上でのリョウの優しさなのだと、香は感じた。

不安なのはリョウも同じなのかもしれないと、ふと思う。
互いが同じ想いならば、その裏にある負の感情も似ているはずだ。
同じものを共有するから、香の孤独を感じ取ったのだろう。


「止めるか、香」
「…え?」
少し気遣うような表情で問うてきたリョウに、香は俄かに首を傾げる。
「無理してこのまま続けなくても…」
言葉の先が読めた香は、無意識のうちに声を遮断させるようにリョウの口を両手で押さえた。

香をずっと苛んでいたものは、影を潜め始めていた。
さっきリョウが投げかけた言葉が、そうさせていた。
細かくてややこしい問題は、探し始めれば切がない。
だが悩んだところで、行き着く先は同じ場所。
信じ、求め、繋がる心の中でしか生きていけないのだ。


「…止めないで、このまま…」

リョウは目じりに溜まった最後の一粒を無骨な指で拭うと、そのまま柔かい唇に移動させた。
「…じゃ、とりあえず、しょっぱいキスを甘いキスに変えてもらいましょうかね」
少し皮肉めいた催促に、香は漸く小さく微笑むと身を屈め唇を重ねた。
一度躊躇うように触れ、互いの視線を絡めると今度は急性に深く潜り込んだ。
心に纏わり付く不安を振り落とすような激しいキスに、絡み合った唇の隙間からは二人の吐息が漏れる。
涙の味が分からなくなっても長い口付けは続き、混じり合った雫がリョウの頬を伝っていく。
離れない
リョウは、更なる快感を得ようと熱を帯び始めた中心に手を伸ばすと、誘うように濡れた奥へと指を挿し入れ内部を引っ掻いた。
「ああっ」
全身を貫かれたような衝撃に、香は思わずリョウから離れ背をしならせる。
中を解すように蠢く指に嬌声を上げながら、香はその動きを制止するようにリョウの腕を抑えた。
「も……いいから…」
香は崩れ落ちるようにリョウの胸に倒れると、その先を小さく懇願した。

ただ互いの存在を確かめ合うだけの行為は、いつも本心を隠している薄い膜を破り、偽りのない言葉を紡ぎ出させた。
常ならば羞恥を煽るような事を口にするリョウも、この時だけは何も言わず汗ばんだ背中を抱きしめる。

リョウは揺れる腰を持ち上げ自身へゆっくり落とすと、白い身体を揺さ振るように突き上げた。
頼りなく揺れる身体が限界に達するまで、リョウは強く責め続ける。
そうされる事を望んでいると、リョウは分かっていた。
何度か落とされた虚ろな瞳の奥が、激しさを求めるようにリョウに語りかけていた。


「なぁ、香…朝までずっと、このままでいようか…」
「…ん」
絶頂に背中を震わせながら息を切らす香に自身を沈めたまま囁いた提案は、あっさりと承諾された為リョウは少し驚いた。
香にはもう少し素直になって欲しいと望むものの、いざそういう態度を取られると戸惑ってしまう矛盾にリョウは苦笑する。

「本当にいいのか?このままだと後3回は確実…」
「今夜はリョウの好きにしていいって…言ったでしょ…」
リョウの声に被さるように発したその声と妖艶な表情に、リョウは香の内に秘めた何かを見たような気がして、鼓動が跳ねた。

「もうずっと…このままでいい…」

熱に浮かされたように呟くと、香は再びリョウに口付けた。


これから先は、何も考えず、言葉もなく、ただ身体を重ね合った。
それは、本当に一つに溶け合ってしまうのではないかと思うほど深く純粋な行為で、世界が闇から白い光へ変わっても、終わる事はなかった。
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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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