ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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先日頂きましたリクエストを基にしたお話です。
リクエストしてくださったモモ様、ありがとうございました^^
原作以上の内容で、2話に分かれる予定です。
1話目は香ちゃん視点のお話です。
リョウちゃんが別人のように優しいです、誰だこりゃ?



<andante(1)>


コーヒーの芳ばしい香りと雑誌を捲る音が形成する世界。
この時間を共有するのはリョウと私、ただ二人だ。

全てを通わせるようにかってから、お互いの時を重ね合う事が多くなった。
以前よりもずっと私のそばにいてくれる。
その事が何よりも嬉しかった。
だが、その想いを邪魔するかのように心の底に沈殿する、不満にも似た想いが存在する事に気付いた。
それはリョウと一緒にいる事で次第に大きくなり、果てしなく広がっていく。

もっと近くに感じたい。
触れて欲しい。キスして欲しい。私だけを見て欲しい。
リョウの全てを独占したいと、強く想う。

だが、そんな事を素直に言える程可愛い女ではないし、自分から行動する勇気など持ち合わせてはいない。
歯痒い欲求は募るばかりで、悪化の一途を辿っていた。

以前はこんな事で悩むなんて、考えてもみなかった。
ただそばにいられるだけで、それだけでいいと思っていたのに。
だが今の私は、あの頃の私ではない。
触れ合う事の心地よさを知ってしまった心は、そばにいるだけでは満たされる事はなく、物足りなさを感じてしまう。

こんな感情が自分の中にあるなんて、今まで知らなかった。
想いは叶う事はないと心を痛めていたあの頃とは、また違った浅ましい苦しみ。



「……り、おーい、香チャン?」
深い思考の渦に入り込んでいた私は、リョウの声で我に返った。
「…え、な、何?」
「どったの、ボケ~っとして」
「べ、別に、何でもないわよ」
引き攣った笑みを浮かべ平静を装う。
「…ふーん」

そう言うとリョウはソファから滑り落ち私の真横に座ると、グイ、と顔を近づけた。
探るような黒い瞳に、鼓動が微かに早くなる。
今にも唇が触れそうな体勢に、思わず一歩後退しそうになったが、リョウが背に腕を回した為二人の距離に変化はない。
知らず、体が強張る。
前髪の向こうで鈍く光る瞳に映る自分の顔は、怯えながらも何かを期待しているような表情だった。
黒い瞳が更に近づいて、私は堪らず目を閉じる。
同時に唇に柔かく暖かい感触が落ちてきた。
二度、三度と啄ばむような優しい口付けに、体から力が抜け心に広がった霧も段々小さくなる。
最後に少し長いキスをすると、包み込むように抱きしめられた。
大きな手が子供をあやすように、背中に優しいリズムを刻む。


「…ねぇリョウ、一つ訊いてもいい?」
「ん~?」
「…なんで、キスしたの?」
「は?」
「だから、なんでキスしたのよ」
「言ってる意味が分からんぞ」
「だって…今そんな雰囲気じゃなかったじゃない。…なのにどうして…」
背に回した腕を解き私を胸から剥がすと、リョウは至極真面目な顔で言った。
「したかったから」
「……それだけ?」
「そう、それだけ。それに、して欲しそうな顔してたからなぁ」
「…誰が?」
「お前に決まってるだろ」
「わっ、私そんな顔してないわよっ!」
「でも、そう思ってたんでないの?」
「う…」

図星だろ?と言わんばかりのリョウの顔に、思わず俯き黙り込んだ。
この男は人の心を読む事に長けている。
私の考えや嘘などあっさりと見破られてしまう、いつも、いつも。


俯いたままの私の手を、リョウがそっと握った。
「なぁ香…思った事はちゃんと言えよ」
リョウの声に顔を上げると、優しい瞳とぶつかり心臓が跳ねた。
「キスして、抱きしめて欲しい…ってさ」

そんな事言えないと、いつもの私なら言っていただろう。
でも言えなかった。
静かなリビングに広がった声が、いつものからかうようなものではなかったから。
私を見つめるその目が、真っ直ぐで真剣だったから。

リョウはふわりと微笑むと、固まったままの私を再び胸に抱いた。
「余計な事考えないで素直に甘えろっての…。俺はお前の望む事をしてやりたいから」
その言葉に瞳が震え、鼻の奥がツンと痛くなった。


思えば誰かに甘えるなんて事、した事ないように思う。
幼少の頃から誰にも、家族にでさえ、迷惑をかけないよういい子でいようと、ずっと自分に言い聞かせてきた。
自分に出来る事は何でもしようと、頼る事などしてはいけないと、そう思っていた。
その思いはリョウに対しても、平等に作用していた。
己の想いを口にせず隠していた私に、自分に心から身を委ねようとしない私に、リョウは気付いていたのだ。


「ま、リョウちゃんは香ちゃんを愛しちゃってるから、何も言わなくても分かっちゃうけどねぇ」

耳元で聴こえた声はいつもの軽いものだったが、心の中にすとんと落ちてきた何気ないその言葉が、ただ単純に嬉しかった。

「…バカ」

本当はありがとうと言いたかったけど、素直に心を表現する事が苦手な性分だ、人間そう簡単には変われるものではない。
涙ぐんだ声でそう返すのが精一杯だった。
今すぐには無理だけど、少しずつ、素直になりたい。そう思う。
リョウの背に腕を回し、ありがとうの変わりに大きな体を力一杯抱きしめた。



「じゃぁ、お前の希望にも応えた事だし…今度は俺のお願い聞いてもらおっかな?」
「うわっ!」
リョウは私を床に組み敷くと、上から抱きついてきた。
これはマズイ、と抵抗しようと思ったが、リョウは私を抱いたまま動こうとしない。
「…あれ?…どうしたの?」
「ん、何が?」
「だ、だって、いつもと違うから…」
「あ、襲って欲しかったのか?」
「ちっ、違うわよっ!!」
慌てる私に小さく微笑んだリョウは、くるりと体を入れ替え私を胸の上に乗せると優しく背中を撫ぜた。
「俺は今、香ちゃんとまったりしたいの♪」
意外なその言葉に、私は暫し呆気に取られた。
「リョウでも、そんな時あるんだ…」
「…お前ね、日頃から俺をどう思ってんだよ」

少し呆れたようなその声に、私は肩を揺らして笑った。
この男は様々な意味で、規格外の人間だ。
未だに驚かされる事も少なくない。
でもそんな謎めいた男でも、私にとってはただ一人の人間だ。
己の愛情を費やす、唯一の存在。
そしてそれを大きく深い心で受け取ってくれる、最愛の人。

リョウから伝播する体温が火種となり、心の中で燻り続ける黒く純粋な感情に火を灯された刹那、私はリョウの耳元に唇を寄せ囁いていた。
それはリョウへの初めてのアプローチだった。
その声を聞いた途端、一瞬見開かれた目はすぐに優しさに溢れた。

「俺の部屋に…行く?」

優しく甘美な囁きに、私はYesの変わりに微かに震える唇をリョウのそれにゆっくりと重ねて答えた。
返事はキスで



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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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