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これは先日UPしました『attraction』、『素直』の続編です。
なので、そちらをご覧になってからの閲覧をお勧めします。
続編を書くつもりはなかったのですが、妄想が膨らみましたので書いてみました。
『素直』から数日後のお話です。
リョウちゃんと冴子姉さんの会話が中心です。
冴子姉さんがお節介キャラに変身しちゃった…。
<change mind>
「リョウ」
聞き覚えのある落ち着いた声に、肩越しに振り返り視線を向けた。
「お久しぶりね」
陽の光に艶めく髪が縁取る端麗な顔は、相変わらず非の打ち所がない。
だが身に纏う気配はいつもとは少し違い柔かく、服装も少しラフだ。
「今日は非番か?」
「そう。久々の休息よ」
仕事の時には見せる事のない静かな笑顔の冴子に、リョウも表情を緩める。
「そういえば、こうして話すのは久しぶりだけど、この間あなた達を見かけたわね」
「達?」
綺麗に整えられた指を顎に当てながら口にしたセリフに違和感を覚えたリョウは、聞き返した。
「あなたこの前、香さんと一緒に街を歩いてたでしょ?」
「……ああ、そういや…」
確かに数日前、香と二人で出かけた事を思い出したリョウを他所に、冴子は意味深な笑みで視線を投げかけた。
「…なにニヤニヤしてんだよ」
「ねぇリョウ、あなたシティーハンター辞めて香さん専属のボディーガードになったらどう?」
「…は?なんだそりゃ?」
唐突な冴子の言葉を理解出来ないリョウは、怪訝な顔で説明を促す。
「だってあなたあの時、ものすごい顔してたんだもの。…くくっ」
冴子が目撃したその光景が彼女の脳裏に蘇り、思わず吹き出してしまった。
突然笑い始めた理由に皆目検討もつかないリョウは面白くない。
不機嫌になる男に気が付いた冴子は、一言謝罪すると話を続けた。
「あの時香さんの後ろを歩いてたあなたの顔、まるで視線で人を殺してしまうんじゃないかと思うぐらい鋭い顔してたのよ」
「はぁ?俺は別に普通…」
「じゃなかったわよ。…あれって、香さんを見る周りの男達を威嚇してたんでしょ?ね、そうでしょ?」
「…何訳の分からん事を言ってんだよ」
悪戯な笑みを浮かべ核心を突いてきた冴子に白を切ったリョウだったが、内心焦っていた。
確かにあの時のリョウは、上機嫌だった香とは違いイライラしていた。
だから恐ろしい形相だった事は認めざるを得ない。
妙な怒りの大半は香を見る男達に対して、そしてその視線に全く気付かない香に対しても若干の憤りを覚えていた。
日頃散々貶しているその容姿は、間違いなく整った部類に入っており、十中八九の人間が好感を持つと言えよう。
だから男達が無意識のうちに目で追ってしまうのも、仕方がない事なのかもしれない。
だがそれを許すほどリョウの心は寛容ではない。
いつもひた隠しにしているが、事香に関しては融通の利かない子供のような独占欲を持っているのだ。
リョウはその鋭い眼光で、香を見る輩を瞬殺していたのだが、それをよりによって冴子に見られていたとはなんたる失態だと、リョウは肩を落とした。
「ねぇリョウ、ちょっと時間あるかしら?」
冴子は苦虫を噛み潰したような顔のリョウを、近くの公園へと誘った。
「ハイ、どうぞ」
「…サンキュ」
缶コーヒーを差し出した冴子は、ベンチに座るリョウの隣へ腰を下ろした。
「…まだ、踏ん切りつかないの?」
「あぁ?」
「香さんの事よ」
「…」
香の名前に沈黙するリョウを横目で窺うと、冴子は苦笑してコーヒーを一口含んだ。
「もう、いろいろ難しく考える必要はないんじゃないかしら?」
「俺達は別にそういう…」
「そんな建て前も必要ないんじゃない?あなた達がお互いに必要とし合ってる事は誰の目から見ても明らか。それはあなたが一番よく分かってるはずよ」
穏やかな口調の中にある確かな意思に、リョウは再び口をつぐんだ。
「ずっと前に槇村がね…言ってたの」
今は亡き男の名を口にした冴子に、リョウは微かに反応した。
「あなたに向けて見せる香さんの笑顔が一番キレイなんだ…って。ものすごく悔しそうな顔でね」
当時の男の顔を思い出し小さく笑うと、薄水色の秋空を見上げた。
「香さんがずっとあなたのそばにいるのは、純粋にあなたを愛しているからよ。そばにいて幸せだからよ。…だから、キレイに笑えるの」
冴子の言葉は正しく香の心を代弁していて、リョウは複雑な思いでその声を聴いていた。
「香さんはきっと、あなたが思う以上に自分の気持ちをしっかり持ってると思うの。そして、あなたをひたすら待ってる」
冴子は俯いたままのリョウの頭を軽く叩くと、ベンチから立ち上がった。
「まったく男ってのは、どうしてウジウジ悩んで待たせるのかしらね!逃げてばかりでズルイわ!」
急にトーンが上がった声は、リョウに向けられているようであり、亡き恋人に向けられているようにも聞こえて、リョウは苦笑した。
「待ち続けるって…結構辛いものよ。香さんだってきっと同じ。辛くて泣いた事だってあるはずだわ」
困ったような顔のリョウを見つめると、冴子は少し切ない面持ちで切り出した。
「香さんを、泣かせるような事はしないで。私、彼女の悲しむ顔は見たくないの。槇村だったら絶対に許さないわね」
「…」
「もし泣かせたりしたら、その時は槇村に変わって私がリョウを殴ってやるわ」
冴子はキュッと拳を握り締めると、鋭い頬にそれを当てる真似をした。
「…殴られるのは勘弁してもらいたいね」
「だったら早く自分に正直になる事ね。じゃないと他の誰かに香さんを取られて泣きを見るわよ」
「バ~カ、そんな事あるわけないだろ?」
「あら、大した自信ね。でも、いつまでもこのままじゃいつ心変わりするか分からないわよ。この世に絶対なんてものはないんだから」
「…わかったよ。ご期待に添えられるよう努力します」
リョウもベンチから立ち上がると、いつもの癖で頭を大きく掻いた。
「しっかしお前さぁ、いつからそんなにお節介になったんだ?老けた証拠じゃねぇの?」
「お生憎様、私はまだまだ引く手あまたよ」
自信のあるその言葉に嘘はないのだが、そのわりにどこか哀愁を漂わせる訳は、やはりあの男を想い続けているからだろう。
「じゃあ私そろそろ失礼するわ。ありがとう、付き合ってくれて」
そう言うと、白い手をひらひらさせながら踵を返し彼女はその場を後にした。
「…いろいろ言われなくても、よ~く分かってるっての…ったく」
一人残されたリョウは、呟く。
分かっているのに、足枷を付けられたように動けずにいるから、悩むのだ。
どうでもいい女だったら、とっくに早く動いて、終わらせている。
大切だからこそ、躊躇い、戸惑い、立ち止まる。
結果それが、彼女を悲しませ泣かせると知っていても。
「…俺だって、アイツの涙なんか見たくねぇよ」

「ただいま~」
「あ、おかえりリョウ。…あれっ?」
リビングのドアを潜るリョウの手に握られている箱に逸早く気付いた香は、それを指差した。
「それってもしかして…ケーキ?」
「ピンポ~ン♪さっすが食いしん坊の香チャン、大正解~」
「誰が食いしん坊だっ!」
「いてっ!」
見事な放物線を描いて飛んできたミニハンマーが、リョウの頭を直撃した。
「どうしたのよ、それ?」
「…買ったんだよ」
ズキズキと疼く頭を擦りながら、リョウはボソリと呟いた。
「誰が?」
「俺が」
「…ウソ」
香は目を丸くしてリョウとケーキの箱を交互に見た。
この男が可愛らしい店に入りケーキを買って来るなんて、なんとも想像し難い事だった。
「アンタ甘いもの苦手なくせに、どうしちゃったの?」
ここにケーキが存在する理由がどうしても分からないといった香に、リョウはぶっきらぼうに答えた。
「何でもいいだろ?俺だって食いたくなる時ぐらいあんだよ!」
「…ふ~ん」
まだ納得のいかない香だったが、リョウの言葉を受け入れた。
「ホレ、今から食うからコーヒー淹れて来い」
「う、うん、わかった」
小走りでキッチンへと向かった香を見送ると、リョウはソファへ座り首を背凭れへ預けた。
『お前と一緒に食べようと思って買ってきた』
己の想いを口にするよりはるかに簡単なセリフすら言えないようでは、冴子に殴られる日もそう遠くないかもしれないと、リョウは小さく溜息をつく。
別に冴子の話に触発されたわけじゃない。
帰り道、目に留まった甘い匂いを漂わせる店の前で立ち止まってしまった。
リョウはふと思い当たった。
折りしも今日は26日。
ケーキを食べながら嬉しそうに笑う香と、今日という日が、いつの間にかリョウを店の中へと引き込んだ。
「お待たせリョウ。さ、食べよ!」
まるでプレゼントの箱を開ける子供のように無邪気な顔でケーキを取り出す香に、リョウは自然と顔を綻ばせた。
香にはずっと、こうして香らしいままでいて欲しい。
その為には、冴子の言うとおり自分の心に正直になるしかないと分かっている。
とりあえずこのケーキが食べ終わったら、今度は素直に話してみようか。
ケーキを買った理由を。
リョウは口の中に残る最後の一口を飲み込むと、溶けそうな笑みでケーキを頬張る香を見つめた。
なので、そちらをご覧になってからの閲覧をお勧めします。
続編を書くつもりはなかったのですが、妄想が膨らみましたので書いてみました。
『素直』から数日後のお話です。
リョウちゃんと冴子姉さんの会話が中心です。
冴子姉さんがお節介キャラに変身しちゃった…。
<change mind>
「リョウ」
聞き覚えのある落ち着いた声に、肩越しに振り返り視線を向けた。
「お久しぶりね」
陽の光に艶めく髪が縁取る端麗な顔は、相変わらず非の打ち所がない。
だが身に纏う気配はいつもとは少し違い柔かく、服装も少しラフだ。
「今日は非番か?」
「そう。久々の休息よ」
仕事の時には見せる事のない静かな笑顔の冴子に、リョウも表情を緩める。
「そういえば、こうして話すのは久しぶりだけど、この間あなた達を見かけたわね」
「達?」
綺麗に整えられた指を顎に当てながら口にしたセリフに違和感を覚えたリョウは、聞き返した。
「あなたこの前、香さんと一緒に街を歩いてたでしょ?」
「……ああ、そういや…」
確かに数日前、香と二人で出かけた事を思い出したリョウを他所に、冴子は意味深な笑みで視線を投げかけた。
「…なにニヤニヤしてんだよ」
「ねぇリョウ、あなたシティーハンター辞めて香さん専属のボディーガードになったらどう?」
「…は?なんだそりゃ?」
唐突な冴子の言葉を理解出来ないリョウは、怪訝な顔で説明を促す。
「だってあなたあの時、ものすごい顔してたんだもの。…くくっ」
冴子が目撃したその光景が彼女の脳裏に蘇り、思わず吹き出してしまった。
突然笑い始めた理由に皆目検討もつかないリョウは面白くない。
不機嫌になる男に気が付いた冴子は、一言謝罪すると話を続けた。
「あの時香さんの後ろを歩いてたあなたの顔、まるで視線で人を殺してしまうんじゃないかと思うぐらい鋭い顔してたのよ」
「はぁ?俺は別に普通…」
「じゃなかったわよ。…あれって、香さんを見る周りの男達を威嚇してたんでしょ?ね、そうでしょ?」
「…何訳の分からん事を言ってんだよ」
悪戯な笑みを浮かべ核心を突いてきた冴子に白を切ったリョウだったが、内心焦っていた。
確かにあの時のリョウは、上機嫌だった香とは違いイライラしていた。
だから恐ろしい形相だった事は認めざるを得ない。
妙な怒りの大半は香を見る男達に対して、そしてその視線に全く気付かない香に対しても若干の憤りを覚えていた。
日頃散々貶しているその容姿は、間違いなく整った部類に入っており、十中八九の人間が好感を持つと言えよう。
だから男達が無意識のうちに目で追ってしまうのも、仕方がない事なのかもしれない。
だがそれを許すほどリョウの心は寛容ではない。
いつもひた隠しにしているが、事香に関しては融通の利かない子供のような独占欲を持っているのだ。
リョウはその鋭い眼光で、香を見る輩を瞬殺していたのだが、それをよりによって冴子に見られていたとはなんたる失態だと、リョウは肩を落とした。
「ねぇリョウ、ちょっと時間あるかしら?」
冴子は苦虫を噛み潰したような顔のリョウを、近くの公園へと誘った。
「ハイ、どうぞ」
「…サンキュ」
缶コーヒーを差し出した冴子は、ベンチに座るリョウの隣へ腰を下ろした。
「…まだ、踏ん切りつかないの?」
「あぁ?」
「香さんの事よ」
「…」
香の名前に沈黙するリョウを横目で窺うと、冴子は苦笑してコーヒーを一口含んだ。
「もう、いろいろ難しく考える必要はないんじゃないかしら?」
「俺達は別にそういう…」
「そんな建て前も必要ないんじゃない?あなた達がお互いに必要とし合ってる事は誰の目から見ても明らか。それはあなたが一番よく分かってるはずよ」
穏やかな口調の中にある確かな意思に、リョウは再び口をつぐんだ。
「ずっと前に槇村がね…言ってたの」
今は亡き男の名を口にした冴子に、リョウは微かに反応した。
「あなたに向けて見せる香さんの笑顔が一番キレイなんだ…って。ものすごく悔しそうな顔でね」
当時の男の顔を思い出し小さく笑うと、薄水色の秋空を見上げた。
「香さんがずっとあなたのそばにいるのは、純粋にあなたを愛しているからよ。そばにいて幸せだからよ。…だから、キレイに笑えるの」
冴子の言葉は正しく香の心を代弁していて、リョウは複雑な思いでその声を聴いていた。
「香さんはきっと、あなたが思う以上に自分の気持ちをしっかり持ってると思うの。そして、あなたをひたすら待ってる」
冴子は俯いたままのリョウの頭を軽く叩くと、ベンチから立ち上がった。
「まったく男ってのは、どうしてウジウジ悩んで待たせるのかしらね!逃げてばかりでズルイわ!」
急にトーンが上がった声は、リョウに向けられているようであり、亡き恋人に向けられているようにも聞こえて、リョウは苦笑した。
「待ち続けるって…結構辛いものよ。香さんだってきっと同じ。辛くて泣いた事だってあるはずだわ」
困ったような顔のリョウを見つめると、冴子は少し切ない面持ちで切り出した。
「香さんを、泣かせるような事はしないで。私、彼女の悲しむ顔は見たくないの。槇村だったら絶対に許さないわね」
「…」
「もし泣かせたりしたら、その時は槇村に変わって私がリョウを殴ってやるわ」
冴子はキュッと拳を握り締めると、鋭い頬にそれを当てる真似をした。
「…殴られるのは勘弁してもらいたいね」
「だったら早く自分に正直になる事ね。じゃないと他の誰かに香さんを取られて泣きを見るわよ」
「バ~カ、そんな事あるわけないだろ?」
「あら、大した自信ね。でも、いつまでもこのままじゃいつ心変わりするか分からないわよ。この世に絶対なんてものはないんだから」
「…わかったよ。ご期待に添えられるよう努力します」
リョウもベンチから立ち上がると、いつもの癖で頭を大きく掻いた。
「しっかしお前さぁ、いつからそんなにお節介になったんだ?老けた証拠じゃねぇの?」
「お生憎様、私はまだまだ引く手あまたよ」
自信のあるその言葉に嘘はないのだが、そのわりにどこか哀愁を漂わせる訳は、やはりあの男を想い続けているからだろう。
「じゃあ私そろそろ失礼するわ。ありがとう、付き合ってくれて」
そう言うと、白い手をひらひらさせながら踵を返し彼女はその場を後にした。
「…いろいろ言われなくても、よ~く分かってるっての…ったく」
一人残されたリョウは、呟く。
分かっているのに、足枷を付けられたように動けずにいるから、悩むのだ。
どうでもいい女だったら、とっくに早く動いて、終わらせている。
大切だからこそ、躊躇い、戸惑い、立ち止まる。
結果それが、彼女を悲しませ泣かせると知っていても。
「…俺だって、アイツの涙なんか見たくねぇよ」

「ただいま~」
「あ、おかえりリョウ。…あれっ?」
リビングのドアを潜るリョウの手に握られている箱に逸早く気付いた香は、それを指差した。
「それってもしかして…ケーキ?」
「ピンポ~ン♪さっすが食いしん坊の香チャン、大正解~」
「誰が食いしん坊だっ!」
「いてっ!」
見事な放物線を描いて飛んできたミニハンマーが、リョウの頭を直撃した。
「どうしたのよ、それ?」
「…買ったんだよ」
ズキズキと疼く頭を擦りながら、リョウはボソリと呟いた。
「誰が?」
「俺が」
「…ウソ」
香は目を丸くしてリョウとケーキの箱を交互に見た。
この男が可愛らしい店に入りケーキを買って来るなんて、なんとも想像し難い事だった。
「アンタ甘いもの苦手なくせに、どうしちゃったの?」
ここにケーキが存在する理由がどうしても分からないといった香に、リョウはぶっきらぼうに答えた。
「何でもいいだろ?俺だって食いたくなる時ぐらいあんだよ!」
「…ふ~ん」
まだ納得のいかない香だったが、リョウの言葉を受け入れた。
「ホレ、今から食うからコーヒー淹れて来い」
「う、うん、わかった」
小走りでキッチンへと向かった香を見送ると、リョウはソファへ座り首を背凭れへ預けた。
『お前と一緒に食べようと思って買ってきた』
己の想いを口にするよりはるかに簡単なセリフすら言えないようでは、冴子に殴られる日もそう遠くないかもしれないと、リョウは小さく溜息をつく。
別に冴子の話に触発されたわけじゃない。
帰り道、目に留まった甘い匂いを漂わせる店の前で立ち止まってしまった。
リョウはふと思い当たった。
折りしも今日は26日。
ケーキを食べながら嬉しそうに笑う香と、今日という日が、いつの間にかリョウを店の中へと引き込んだ。
「お待たせリョウ。さ、食べよ!」
まるでプレゼントの箱を開ける子供のように無邪気な顔でケーキを取り出す香に、リョウは自然と顔を綻ばせた。
香にはずっと、こうして香らしいままでいて欲しい。
その為には、冴子の言うとおり自分の心に正直になるしかないと分かっている。
とりあえずこのケーキが食べ終わったら、今度は素直に話してみようか。
ケーキを買った理由を。
リョウは口の中に残る最後の一口を飲み込むと、溶けそうな笑みでケーキを頬張る香を見つめた。
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