ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
先日ちらっと予告?しておりました原作つながりのお話です。
『ソニア編』のラスト、公園からアパートへ帰った二人はあのままくっ付いちゃった…という内容です。
なので、原作のイメージを大切にされている方はご注意を。
多分3、4話に分かれると思います。

<stay(1)>


ゆらゆらと揺れる心は一所に定まらない。

出したままだった治療器具を片付けていた香の脳裏に、フラッシュバックした光景。


轟く銃声。
倒れこむ体。
飛び散る鮮血。


来年も再来年もずっと、生きて誕生日を一緒に過ごしたい。
そう望んだ香に、自分も同じ想いだとリョウは言った。

嬉しかった。幸せだと思っていたのに。

今の香の心は、その想いとは正反対だった。

リョウが自分と同じ想いだとしても、これから先一緒にいればまた同じ事が起こる。
リョウを傷つけてしまう。
本当は、一緒にいない方がいいのかもしれない。

離れようとする想いと、傍にいたいという想いの狭間で、香はどちらにも行けずに立ち止まっていた。



夕闇が迫るリビングへ足を踏み入れると、微かな消毒液の匂いがした。
その匂いが呼び起こす光景が、香の表情を曇らせる。

「何そんなとこで突っ立ってんだよ」

ベランダの傍に立っていたリョウは、香に気付くとそちらに目を向けた。

「リョウこそ、そんな所にいたら風邪引いちゃうわよ。コーヒー淹れたんだけど…飲む?」
「ああ」

リョウはソファに座ると、淹れたてのコーヒーを一口含んだ。


「…あのさ、リョウ」
「ん?」
「あの…私の事、ずっと探してくれてたんでしょ?…ゴメンね、疲れたよね…リョウ怪我してたのに…」

香は俯きがちにリョウに声をかけた。

「ホントだぞまったく。もうリョウちゃんくたくた…」
「ホントにゴメン…」

更に俯き小さくなる香に、リョウは苦笑した。

「バカ、冗談だ。気にするなっての、んな事」
リョウの言葉にも顔を上げず、香は更に続けた。
「額の傷の事だって…」
香はそう言ったきり、唇を噛んで黙り込んだ。

リョウは、ふうと溜息をついた。
きっと自分のせいで傷を負わせてしまったのだと、責めているのだろう。

「香、こっち向け」

リョウの声に、香は戸惑いがちにゆっくりと顔を上げた。

「俺達のいる世界ってのは、こういう事なんて日常茶飯事だ。それはお前だって知ってるはずだろ?」
リョウの問いかけに、香は小さく頷く。
「自分が傷つく事を誰かのせいにしようなんて思わないさ。お前が責任を感じる事もないんだよ。だから…」

リョウは、香の髪を撫ぜると少し潤んだ目を覗き込んだ。

「そんな顔するな」

そう言って微笑んだリョウの瞳はあまりに優しくて、香は胸が締め付けられた。

「それから…パートナーを辞める必要もない」

優しい眼差しのまま口にしたリョウのその言葉に、香は心臓が跳ねた。

「ここを出て行こうと考えてたんじゃないのか?俺の為に。…違うか?」
そう問いかけられ、香は再び俯いた。


ソニアを探す為に街を走りながら、ずっと、ずっと考えていた。
今回の事で、どんなに自分が愚かで未熟であったのか、痛い程分かった。
自分のせいでリョウを苦しませ傷つけるのならば、いっそ離れてしまおう、と。


「コラ、そんなシケた面するなっつったろ?」
リョウは、香の額を小さく弾いた。
「大体俺のパートナーが務まる逞しい女なんて、お前ぐらいしかいないだろ?」
「でも私…」
何か言おうとした香の言葉を遮るように、リョウは開きかけた小さな口を掌で押さえた。

「お前は…そのままでいいんだよ。立派な俺のパートナーだ」
「…」
「だから、パートナーを辞める必要もないし、ここを出て行く事もない!分かったか!」

少し語気を荒げて同意を求めるリョウの顔は、少し照れているようで、でもとても穏やかだった。


定まらなかった心が落ち着き始めていた。
リョウの言葉と優しさが、揺れ動く不安な想いを消してくれた。

「…うん」
笑顔で頷いた香に、リョウも微笑み返した。


「お前がいなくなったら、俺が困るだろ?」

「え…」

「…あ」

しまった…とリョウは口をつぐんだ。
香の笑顔を見た途端、自分の最深に沈めたはずの想いが浮上してきたのか。
言うつもりのなかった言葉をうっかり口にしてしまったリョウは、妙な汗を掻きながら香をチラリと見た。
香は急に黙り込んだリョウを、不思議そうな顔付で見ている。

「あ、いや…その、な」

リョウは先程の失言をどうやって誤魔化そうかと考えて、止めた。

もうこれ以上は


もう自分の心を隠して偽り続けるのも、無意味に思えた。
あれこれ考えても、結局導き出される答えはたった一つで。
自分がその答えを選ぶ事は、とうに分かっている。

パートナーを辞めここを出て行こうと考えていた香、きっと今まで同じような事で悩み苦しんだはずだ。
自分の為ではなく、俺の為に。
香の想いに応えられるのは、自分しかいない。

肩の力を抜いて、ふと小さく息を吐くと、リョウは香へと目を向けた。
ある一つの決意を胸に秘めて。

スポンサーサイト

コメント

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://qazzz.blog31.fc2.com/tb.php/198-ea8b8954

MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

名前:
メール:
件名:
本文:

この人と友達になる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。