ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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原作程度のお話です。
槇兄が亡くなってから間もない頃のお話。
ちょっと切ないです。
2話に分かれる予定です。

<もう一度(1)>



息を潜め目を閉じると、耳の奥で鼓動が響いて微かな頭痛がした。
夢で逢えたら…

いつもと同じ静かな夜。
心が消えてしまいそうな夜。
苦しいほどの孤独を感じる夜。


アニキは、私の眼前から突然消えた。
何の前触れもなく、言葉すら残さずに。

何の冗談だと、笑い飛ばせる事が出来たらいいのに。
これは夢で、目が覚めたらまたいつもの日々が待っていてくれたらいいのに。

それは紛れもない事実で、逃れる事の出来ない現実だった。


灰色の薄闇を、ただぼんやりと見つめていた。

涙は出なかった。

悲しみに涙を流すという感情は、もうどこかに落として、失くしてしまった。


もしかしたら夢で逢えるかもしれない。
そう思って何も考えずに眠りにつくが、朧げな願いは叶う事なく、目覚めた後待っているのはどうしようもない虚しさだった。


朝の青い光を感じながら、自分自身を偽る。
本当の心は、底に沈めて。

そうでもしなければ、きっと正気ではいられない。
何もかも崩れてしまう。
きっと、私は全て消えてしまうだろう。

助けてくれる者など、もう誰もいない。





なんの目的もなく、騒がしい街をただ歩いていた。
俺には何も…
目に飛び込んでくる映像も耳に入る騒音も、頭の中には留まらずすり抜ける。

心の目に引っかかるのは、冷たい雨の中で死んだ男と、その妹の事だった。


生温い血は流れ続け、やがて冷たくなる頃口にした、最期の言葉。
それは、アイツが俺に残した願いだった。

香を一人にするのは、少し後ろめたかった。
だが一緒にいても、俺には何をしてやれる訳でもない。
何をしても、香には何の慰めにもなりはしない。
自然と流れる時間でさえ、癒す事など出来ないのかもしれない。


香はあの日から、一切笑わなくなった。

俺に向けられるその顔は、色のない偽者だ。
それを目にする度、得体の知れない感情が心に表れる。

憐れみ、悲しみ、侘しさ。
言葉にならない想いは、マーブル模様になって最後には黒一色になった。

空を見上げると、ガスで霞んだ薄い水色が広がっていた。


香の笑顔が見たい。


俺の心にふと浮かんだ想い。

槇村の傍で声を上げて笑う香は、綺麗だった。
初めてその笑顔を見た時、素直にそう思った。

飾る事のないその笑顔は、取り囲む淀んだ空気を消し去り、俺の中に強烈に残っていた。

もう一度、あの笑顔を見せてくれる日は来るのだろうか。

それは、永遠に叶う事のない願いのようで。
だが、その想いは俺の中で消えることはなかった。

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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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