ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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原作程度のお話です。
これは『天野翔子さん編』での、伝説の膝枕を基にしたお話です。
あの膝枕シーンから朝を迎えるまでの数時間を、勝手に妄想しました。
ですから、原作のイメージを大切にされてる方はご注意ください。
一応2回に分かれる予定です。

<安らげる場所(1)>



肩に感じた温もりと重みが心地よくて、気が付くと膝の上に抱いていた。

そっと黒い髪を撫ぜると、心の中がくすぐったくてほんわりと暖かくなった。
大きな肩にそっと触れると、掌からリョウの体温が伝わってくる。

体を預けて横たわるこの男が、どうしようもなく愛おしい。

そう思った途端、鼻の奥が僅かに痛み、慌てて涙を堪えた。


用を成さなくなった鉄の塊からは、微かなオイルの匂いがする。

怖いものなんて何もないと思っていた男が、初めて見せた影。
幼い頃の記憶が、未だにその影を彼の中に残している。

リョウの過去を思うと、たまらなく苦しい。切ない。
想像を絶する、非現実な生い立ち。

憐れむ気持ちと同時に湧き上がる自分勝手な思いに、自己嫌悪に陥る。

小さな小さな子供にとっては、あまりに残酷な過去。
だけど、光のない道を歩んで来なければ、あの事故に遭わなければ、私はリョウという人間と重なる事はなかった。

偶然が重なり、今二人は同じ時を過ごしている。
もし二人の辿って来た糸がどこかで途切れ、違う色に染まっていたら、きっと一つに交わる事はなかっただろう。

黒い運命がもたらした、一つの邂逅。

なんて冷たい女なんだ、と思う。

だが、この胸に渦巻くどんな想いよりも、リョウと出会えた奇跡を愛おしく思う自分がいる。

守ってあげたいなんて、大袈裟過ぎる。
でも、支えになりたい、そう思う。
少しでも必要としてくれたのなら、寄り添いたいと思ってくれたのなら、望むだけ傍にいたい。

リョウが望む限りずっと。
傍にいたい

「リョウ…」

零れ落ちた声が闇に溶けると、目尻に溜まった涙が一つ零れた。





会話を強制的に終わらせる為に、狸寝入りを決め込んだ。

俺の過去の事で、変に気遣われるのは何だか気が引けたから。

ゆっくり頭を傾けると、香の肩が揺れた。

僅かな沈黙の後、俺は動揺した。

少し冷たい手が、頭に触れる。
ゆっくりと傾いていく体。
頬に感じる柔かさと、気持ちいい体温。

眠ったのだと勘違いした香は、俺を膝の上に横たわらせた。

俺はウソを明かすタイミングを逃し、体を強張らせ目を閉じたままじっとしていた。
どのくらいの強さで息をしていいのかも分からず、不自然な呼吸を繰り返す。

やがて香が、俺の体に触れた。

ドキンと心臓が跳ねたのは一瞬で、その後訪れたのは心地よい安堵感。


正直少し疲れていた。
疲れていたのは、精神、心。

ずっと心の底に沈めていたものに、敢えて触れないようにしていた。避けていた。
わざわざ自分を苦しめるような事はしない。

だが、再び浮き上がってきた影に、俺は見事なまでに拒絶反応を示した。

どんなに平然を装うとしても、抉られた傷は思うよりも深く、痛い。
きっとこの傷に、一生苦しめられるのだろう。

ズキズキと疼く傷は治らない。
休む事など、出来るわけないのに。

香から感じる温もりと優しい匂い、傷を癒すように何度も撫ぜる手に、俺の意識はだんだん白く霞んで見えなくなっていた。

ひどく心地よかった。

体が重くて動けない。

もう何も考えず、このまま眠ってしまいたい。

『リョウ…』

意識を手放す一歩手前で、香の声を聞いた気がした。
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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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