ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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<その手を>のその後のお話です。
なので先に、リョウちゃんバージョンと香ちゃんバージョンを読まれたほうが分かり易いかも…。

 その手を(K ver.)…7/10 UP
 その手を(R ver.)…7/11 UP

ある方のコメントがヒントになりまして、それが妄想化したものです。
以前書いた一線越え(OVER)とは、全く違い全然甘くない切ない一線越えです。
イヤンな表現はありませんが、一応R15ぐらいでしょうか…。

<その手を(after)>


熱いシャワーが体の所々に付いた傷にしみたが、そんな事は気にならなかった。
ねっとりと纏わり付くようなあの男の感触を一秒でも早く消し去りたいのに、どんなに湯を浴びても流れる事はなく、香は無意識に体中に爪を立て掻き毟った。
いっその事皮膚ごと剥いでしまおうか、と恐ろしい考えが頭を過ぎる。
「…っ……」
力任せに引っかいた左胸の上に、皮膚が薄く捲れた赤い傷が出来ていた。
そこから流れ出た血は胸を伝い落ち、湯と混ざり合いながら薄くなって足元へと流れる。
その流れに吸い込まれるように香は膝から崩れ落ちると、しゃがみ込み声を殺して泣いた。

涙で霞むその向こうに固く握り締められた手が揺らめいている。
さっきまで、その手をリョウが握っていてくれた。
様々な感情が渦を巻き、いっそ消えてしまいたいと叫んでいてた香の心を、その大きな手で抱きしめてくれた。

しかし、香の心は未だざわめき、暗い闇を見せていた。
この闇を払い去るには、手の温もりだけじゃ足りない。
この身を燃やし尽くすほどの熱を感じたかった。

バスルームを出た香は、まるで呼び寄せられるように覚束ない足取りで、リョウの部屋へと向かっていた。



灯りのない暗い部屋で、リョウはどこを見るでもなく、ベッドの端に座り宙を眺めていた。

自分の傍に置いておけば、香を守る事が出来る。
しかし、いつかこういう目に遭わせてしまう危険が潜んでいる事も、充分に分かっていた。

香を襲った恐怖は、凄まじいものだっただろう。
男に組み敷かれた香は生気を失い、まるで人形のようだった。
リョウは、そんな香の手をただ握ってやる事しか出来なかった。
慰める事も、肩を抱いてやる事も出来ず、ただただその冷たい手を暖める事しか出来なかった。
何もかも中途半端だ。
突き放す事も、胸の中に抱き止めておく事も出来ずに傷つけてばかりだ。
誰よりも、香を愛しているのに。


部屋に近づいてくる小さな気配に気付き、リョウはドアへと目を向けた。
もう一つの…
その気配はドアの前で止まり、そこに佇んだまま動かない。
リョウはゆっくり立ち上がると、重い足取りでドアへ近づいた。
ドア越しの暫しの対峙の後、動いたのはリョウだった。
ドアを開けるとそこには、俯き立ち竦む香がいた。
濡れた髪からは雫が落ち、シャツのボタンも碌に留めることもしない姿は、いつもの香とは程遠く、リョウの胸がズキンと痛んだ。
香は僅かに顔を上げ、赤く腫れた目で一瞬リョウを見ると、再び目を伏せ小さく開けられたドアの隙間を潜り抜け、部屋へと足を踏み入れた。

僅かに明るくなった部屋は、ドアが閉まる事で再び音のない闇に包まれる。
香はそのままフラフラとした歩みで部屋の中心まで行くと、両手で顔を覆い隠し、肩を震わせ嗚咽を漏らした。
「…香」
その姿に、リョウは堪らず駆け寄り、小さな体を抱きしめた。
その瞬間、香は胸の中に溜まったものを一気に吐き出すかのように、叫び泣いていた。


「…消して」

喉の奥から搾り出した声が、闇に溶ける。

「…消えないの」

涙に濡れた瞳がリョウを捕らえた。
こうやってリョウに抱きしめられても、あの黒い闇が纏わり付いて離れようとしない。
このままではやがて飲み込まれてしまう。
自分が自分でなくなりそうだった。

「…抱いて、リョウ」

香の言葉に、リョウの体が僅かに揺れた。
「…お願い」
リョウの背に腕を回し、体を寄せる。
「あの時…リョウじゃなきゃ、って思った……リョウ以外の誰かに……」
再び涙が溢れ、声が詰まる。
「リョウ以外の誰かに抱かれるなんてっ…!」
涙に濡れたその言葉は、リョウの唇に塞がれ掻き消えた。

激情のまま触れた香の唇は、柔かく甘く、そして切なかった。

震える唇からそっと離れると、体ごと引き寄せ、壊れそうな程強く抱きしめた。

「…わかったから、もう何も言うな…」
リョウの掠れた声に、香は心臓を鷲掴みにされたように苦しくなる。
リョウも自分と同じように苦しんでいる。
大きな肩が微かに震えている事に気付き、そう感じた。

「消してやるよ…何もかも、忘れさせてやる……」

その声を合図に、二人は縺れ合うようにベッドへと倒れ込んだ。



リョウの下に横たわる香の瞳は、涙に濡れ揺れていた。

「…優しくしないで」

か細い声と共に、涙が頬を伝い流れる。
優しさなんていらなかった。
痛みでも何でもいい。
何もかも忘れてしまう程の大きな渦に飲み込まれたかった。

「ひどくして…いいから…」

消え入りそうなその言葉に、リョウの胸が軋みギリギリと痛んだ。

明るい陽の下が誰よりも似合う女だった。
誰よりも幸せになるべき女だった。
その女をこんな黒い世界に引き込み、閉じ込めてしまった。
こんな抱かれ方を望む女などいない。
幸せも温もりも感じない、無感動なSEX。

「…わかった」
リョウは、止め処なく流れる涙を舐め取ると、瞼にそっと口付けた。
そこから額、頬、鼻と触れるだけのキスをいくつも落としていく。
そして最後に少し荒れた唇に己のものを重ねた。
それは香の望んだものではなく、どこまでも優しく深いキスだった。

香には分かっていた。
どんなに望んでも、願っても、リョウは傷つけるようなことはしないと。
その優しい口付けに、香の涙が止まる事はない。

「…優しくしないでって…っ…言ったのに…」

嗚咽交じりの言葉が零れる唇に、リョウは繰り返し唇を落とす。

「…傷つけて…ほしいのにっ…」

リョウは香の言葉止めるように、その細い身体を抱きしめた。
息が止まるほどの、痛く切ない抱擁。

「もう…充分傷つけてる。お前の気持ちを知りながら、手放す事も出来ず、こうして抱きしめる事もせず、中途半端なままお前を傷つけた…。俺はお前と向き合うことが、怖かったんだ。この手で抱いてしまえば…いつかお前が、消えてしまいそうな気がして…」
「…リョウ」
「結局、今もこうしてお前を泣かせてる…。だから、今まで傷つけた分…優しくさせてくれ…」

初めて知ったリョウの想いに、香は胸が締め付けられた。
リョウの切ない瞳が、香を射抜く。

「お前を誰より…愛してる」

あふれ出した己の想いを注ぎ込むように、リョウは深く唇を重ねた。
その想いはやがて香を包み込み、心を覆い隠そうとしていた闇を消し去っていった。

初めて触れる白い肌は、甘く柔かく、リョウは次第にその身体に沈み込んでいく。
香の全てを征服するかのように、身体中に触れていく。
胸元に唇を寄せると、香の身体が揺れ動いた。
そっと舌を這わせると、僅かに鉄錆の味がして、リョウは動きを止めると香に視線を向けた。
香は何も言わなかったが、リョウにはその傷の意味が分かった。
リョウは、血の滲む細い傷を慰めるようにそっと舐め上げた。
ビクリと動く身体を抱きしめると、再び身体中にキスを落としていく。
それは、香の身体に纏わり付いて離れなかったものを消すように、何度も繰り返された。
やがて香はリョウの想いに応えるかのように、身体を赤く染め始め、息を乱していく。

互いが交わるその刹那、香の瞳が微かに揺らめく。

「…怖いか?」

吸い込まれるような深い眼差しでそう問われ、揺らめく瞳から涙が零れた。

『怖くなんかない…リョウを、愛しているから…』

言葉はなくとも、透き通った瞳がそう語っているようだった。

リョウの頬にそっと手を伸ばす。

「手を…握ってて…」
「ああ…」

白い手に無骨な手を絡めた。

「…ずっと…離さないで」

その言葉を最後に、二人は言葉を交わす事はなかった。
重なり合った二人の身体は、溶け合い一つになり、青い闇に溶けていった。
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No title

However Art blades something to stimulates an individual's weak emotions beliefs a bankai as the senses combating the thirteenth Edorad Leones and his released zanpakut?ª© while it bankai using nothing his own spiritual to shatter blades.

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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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