ordinary life

シティーハンター二次創作と萌え語り

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今回のお話は、『もし奥多摩の一件の前に二人が想いを伝えあったら?』と妄想したもの。
暗いし、甘くないし、そして支離滅裂な文です…。
それでもいいよん♪という方はどうぞ…。



<limit>


日常のふとした瞬間に感じる『サイン』がある。
LIMIT(R)
それはあまりに小さく、瞬きをした瞬間にふっと消えてしまう曖昧なもの。
でも、確かに感じる。
それが何を意味しているのか、分かるような気もするがはっきりしない。
あなたはその意味を教えてくれるだろうか?
はぐらかさずに、全てを曝け出してくれるのだろうか?


タバコの匂いが微かに漂うリビング。
リョウはベランダでどこを見るでもなく佇んでいた。
短くなったタバコの先には、今にも落ちそうな灰が消えそうな火を守っている。

物思いに耽る横顔が好きだった。

でも今は違う。
こんなリョウを見てると、心がざわめき穏やかではいられなくなる。
こんなに傍にいるのに、心がずっと遠くに感じる。

一体何を思ってるの?
その目で何を見つめているの?
そう素直に訊きたいのに、思いは言葉に出来ず胸の中へ仕舞い込んだまま、おぼろげな横顔を見つめるだけ。



日常のふとした瞬間に感じる『サイン』がある。
limit.jpg
それは強烈な光を放ち、まるで何か救いを求めているようで俺は直視出来ない。
それが何を求めているのか、わかっている。
だが俺は何もしてやれない。
お前が望むものを、与える事は出来ない。


タバコの煙の向こうに、香の気配がする。
いつもその体を覆うオレンジ色は消え、まるでロウソクの火のように頼りない気配。

香の笑顔が好きだった。

でも今は違う。
その笑顔を見るたびに、心に暗い霧がかかる。
立ち込めだした霧はやがて全てを隠し、俺から香を見えなくさせる。
必死に手を伸ばし探しても、黒い霧が邪魔をする。
香をこの手で抱いてしまえば、二人は黒い世界に覆われ、その小さな火さえも覆い消してしまうだろう。
それだけは決して許されない。
たとえ香がどんなに渇望したとしても。


二人の心は巨大な迷路に迷い込んだように出口を探して彷徨うが、どうやっても抜け出せずに心は疲弊していた。



リョウは肺に溜まった煙と一緒に重い空気を吐き出すと、顔を上げリビングに目を向けた。

香と視線がぶつかる。

二人の視線は絡まった糸のように解けない。

『サイン』が灯る。



灰色の静寂を破ったのは、リョウだった。

「…怖いよ、俺は」

一歩、一歩香に近づいた。

「正気じゃいられなくなる」

香を見下ろすその瞳には鈍い光が宿る。

「俺の前から、消えてくれ…」

小さく痛みを伴う声に、香の瞳が揺れ、涙が零れた。

「頼むから…」

消えそうな言葉を落とすと、今にも崩れ落ちそうな香の体を抱きしめた。

「俺に、笑顔なんか向けるな…」

氷のようなその声とは裏腹に、体は熱を帯び始める。


「お前は、…怖くないのか」

その問いに応えるように、リョウの背中に強く腕を回した。

「怖いよ…」

背に回した腕に力がこもる。

「リョウを、失うのが…怖い」

香の涙がリョウの心に落ちた。

「不安で、たまらなくなる…でも」
「お前と離れる事が、何より怖いって…そう思った」

香の声にリョウが重なる。

「だからどんなに情けなくても、卑怯でも、お前を泣かせる事になっても…離せなかった」
「リョウが卑怯だというなら、私だってそうだよ…」

再び二人の視線が絡んだ。互いの『サイン』も伴って。

「もう…引き返せないぞ」

二人の早まる鼓動が、限界へのカウントダウンのように鳴り響いた。
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MAY

Author:MAY
CH(リョウ×香)のイラストと二次小説を好き勝手に書き散らしております。
たまに他のジャンルの萌えを語る事も。
最近嵐さん(特にリーダー)にはまってます…。

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